松尾匡のページ著書(2017年〜)
2016年までの著書リストはこちら
ポスト「アベノミクス」の経済学——転換期における異議申し立て
発売日: 2017年6月01日
著者/編集: 金子勝, 松尾匡
出版社: かもがわ出版
ページ数: 174p
ISBNコード: 9784780309171
2016年11月に立命館大学草津キャンパスで行われた金子勝さんと私の対論イベントの記録本です。
第1部 “講演”経済学ともうひとつの日本と地域
・アベノミクスはなぜ失敗するのか、何をもたらすのか
・反緊縮時代の世界標準経済政策
第2部 “対論”経済学と日本の進路について
・松尾教授の質問と金子教授のそれへのコメント
・金子教授の質問と松尾教授のそれへのコメント
・会場からの質問に対する回答
第3部 “提言”経済学への異議申し立てから新たな創造へ
・「レフト3・0」の経済学:何が同じで、どこが違うのか
・多様性に基づく経済学の新たな創造へ
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そろそろ左派は<経済>を語ろう——レフト3.0の政治経済学
亜紀書房さんの正誤情報文
発売日: 2018年4月27日
著者/編集: ブレイディみかこ, 松尾匡, 北田暁大
出版社: 亜紀書房
ページ数: 315p
ISBNコード: 978-4-7505-1544-1
在英の元保育士ライターのブレイディみかこさん、東大の社会学者の北田暁大さんとの鼎談本です。
「誰もがきちんと経済について語ることができるようにするということは、善き社会の必須条件であり、真のデモクラシーの前提条件だ」
欧州の左派がいまこの前提条件を確立するために動いているのは、経世済民という政治のベーシックに戻り、豊かだったはずの時代の分け前に預かれなかった人々と共に立つことが、トランプや極右政党台頭の時代に対する左派からのたった一つの有効なアンサーであると確信するからだ。
ならば経済のデモクラシー度が欧州国と比べても非常に低い日本には、こうした左派の「気づき」がより切実に必要なはずだ。(ブレイディみかこ/本書より)
【目次】
第1章:下部構造を忘れた左翼
第2章:「古くて新しい」お金と階級の話
補論1:来るべきレフト3.0に向けて
第3章:左と右からの反緊縮の波
第4章:万国のプロレタリアートは団結せよ!
補論2:新自由主義からケインズ、そしてマルクスへ
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「反緊縮」宣言
発売日: 2019年5月23日
著者: 松尾匡(編)、池田香代子、井上智洋、梶谷懐、岸政彦、西郷南海子、朴勝俊、宮崎哲弥、森永卓郎、ヤニス・バルファキス、プログレッシブ・インターナショナル
出版社: 亜紀書房
ページ数: 276頁
ISBNコード: 978-4-7505-1589-2
世界の政治・経済を動かす新座標軸、「反緊縮」を知らなければ、これからの社会は語れない!
人びとにもっとカネをよこせ!
そう、これは新たなニューディールの宣言だ。
日本の経済・社会を破壊した「緊縮」財政主義を超えて、いまこそ未来への希望を語ろう。
【緊縮】政府が財政支出を抑制して、社会をどんどん貧しくしていくケチくさい態度
【反緊縮】政府が積極的に財政支出をして、人びとの暮らしを豊かにする、気前のよい態度
【目次】
反緊縮って何だ!? 松尾匡
おすそ分けのすすめ 池田香代子
なぜ消費税を社会保障財源にしてはいけないのか 森永卓郎
他者を殴る棒 岸政彦
わたしにとっての反緊縮 生活から政治を語る 西郷南海子
政府の借金なくしてデフレ脱却なし 井上智洋
反緊縮経済学の基礎 朴勝俊
リベラル再装填のために 宮崎哲弥
日本におけるポピュリズムの困難と可能性:「アジア」という視座 梶谷壊
ヨーロッパを救うひとつのニューディール ヤニス・バルファキス
世界中の革新派勢力への呼びかけ プログレッシブ・インターナショナル
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左派・リベラル派が勝つための経済政策作戦会議
訂正解説
発売日: 2019年6月20日
著者: 松尾匡 「ひとびとの経済政策研究会」
出版社: 青灯社
ページ数: 264ページ
ISBNコード: 978-4-86228-107-4 C0033
I なぜリベラル派は負け続けているのか
若い世代の関心は「景気・雇用」/今出現しているのは古典的「窮乏」
リベラル派はなぜ勝てないのか/「お金を出しませんよ」に反対する世界の民衆
欧米の派手な反緊縮政策/消費税を上げずにすむ根拠は?
II 反緊縮の経済政策マニフェスト
消費税を上げない/雇用創出・最低賃金の大幅引上げ
法人税の優遇措置をなくす・富裕層に増税/財政危機はまやかし
地方でも常に仕事が続くインフラ事業を/教育・保育の無償化、介護、医療の充実
リベラルが何度も失敗を繰り返してきたのは、「景気拡大反対」「脱成長」のイメージがあったから。
長期不況や小泉構造改革などで失業した人、あるいはやっと職にありついた人たちには自分たちが救われないとしか聞こえない。左翼とかリベラルのイメージが嫌われたというよりは、「なるべくお金を使いません」という倹約的なイメージが嫌われていた。この現象は世界中で起こっている。
安倍総理の経済政策は本当はどちらかと言えば緊縮。国民の生活のためにお金をたくさん使いますという姿勢はかなり疑わしい。しかし左派側がもっと景気の良い対案をアピールしないせいで負けている。
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教養のための経済学超ブックガイド
発売日: 2020年7月8日
著者/編集: 飯田 泰之 編、井上 智洋 編、松尾 匡 編、奥山 雅之、小田巻 友子、佐藤 綾野、中田 大悟、朴 勝俊、北條 雅一、増田 幹人、矢野 浩一
出版社: 亜紀書房
ページ数: 260頁
ISBNコード: 978-4-7505-1651-6
文系学生から、ビジネスマンまで。
ケーザイを学ぶ入口はここだ!!
リーダブルな必読入門書リストと共に、その概要を専門家たちがダイジェストで解説。
初心者のための至れり尽くせり、究極のアンチョコ本、ここに登場!
身近な12のトピックから、経済学の考え方が学べる!
「景気」「格差・貧困」「雇用・教育」「国際経済」「社会保障」「地域経済」「人口減少・高齢化」「環境問題」「先進技術」「統計」「経済学史」「経済理論」
目次
・座談会
経済学入門、最初の一歩 飯田泰之×井上智洋×松尾匡
・必読書88/ジャンル別要点まとめ
「景気」の読み方 飯田泰之
働く人のための「雇用」の経済学 北條雅一
「貧困・格差」問題への道案内 小田巻友子
「国際経済」から世界の趨勢を見る 佐藤綾野
経済学からみた「社会保障」の必要性 中田大悟
「人口減少・高齢化」問題の経済予想図 増田幹人
小さくても魅力あふれる「地域経済」の育て方 奥山雅之
「環境と経済」を考えるためのレッスン 朴勝俊
「先端技術と未来の経済」を予測する 井上智洋
「データ・統計」を用いて経済を把握する 矢野浩一
なぜ「経済学史」を学ぶのか 松尾匡
スタンダードな「経済理論」を学ぶ 飯田泰之
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コロナ後の世界——いま、この地点から考える
発売日: 2020/09/01
編集: 筑摩書房編集部
出版社: 筑摩書房
ページ数: 328
ISBNコード: 978-4-480-86474-1
真の危機とは? 未来はどうなるのか?
世界を襲ったCovid-19。
深刻かつ多方面にわたるその影響。
危機の正体と、到来する未来を、多角的に検証。
免疫学、精神医学、経済学、哲学・現代思想、社会学、医学史、政治学、科学史など、
第一線で活躍する知性による、圧倒的熱量の論集!
目次
I ニッポン社会のクライシス
免疫からみえるコロナの行く末 小野昌弘(免疫学)
2020年のパンデミックと「倫理のコア」——「日本モデル」が示す人と組織の劣化 宮台真司(社会学)
コロナ・ピューリタニズムの懸念 斎藤環(精神医学)
II コロナ時代の新・課題
コロナショックドクトリンがもたらす円高帝国 松尾匡(経済学)
一汁一菜のコスモロジー——土井善晴論 中島岳志(南アジア地域研究、近代日本政治思想)
コロナ危機、民主主義、そして世界的連帯 宇野重規(政治哲学)
III 「その先」を深く考える
Covid-19のパンデミーと食肉の問題 鈴木晃仁(医学史)
「ポスト・コロナ・エイジ」を考えるためのエクササイズ 神里達博(科学史、科学技術社会論)
公衆衛生と医療——集団の救済と病人の救済 小泉義之(哲学・現代思想)
IV コロナ後の世界
〈不可知性〉の社会——〈不可知性〉に統治される未来をどう生きるか 柴田悠(社会学)
パンデミック・デモクラシー 中島隆博(哲学)
もうひとつの別の経済へ 大澤真幸(社会学)
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定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年前半
発売日: 2020年9月24日
編集: 森達也 編著
出版社: 論創社
ページ数: 374
ISBNコード: 978-4-8460-1951-8
100年に一度と言われる感染症の蔓延に、日本の社会はどのように対応したのか、また対応しなかったのか。
深刻な事態を風化させないために記録しよう、という共通の思いで、森達也のかけ声のもと、論者たちが集結した。本企画では、コロナ禍の日本社会を定点観測する。まずは2020年の上半期を対象に、第1弾である本書を刊行。以降、1年半にわたって観測を継続したい。
コロナ禍における日本の動向を記憶するための必読書。
斎藤 環「『医療』に何が起こったか」
雨宮処凛「コロナ禍の貧困の現場から見えてきたもの」
上野千鶴子「コロナ禍とジェンダー」
今野晴貴「コロナ禍の労働現場」
斎藤美奈子「パンデミック文学のパンデミックに寄せて」
CDB「緊急事態の夜空に」
武田砂鉄「アベノマスク論」
仲正昌樹「コロナ禍と哲学」
前川喜平「『全国一斉休校』という人災」
町山智浩「新型コロナ日記 イン アメリカ」
松尾 匡「コロナ下で進む日本経済の『転換』」
丸川哲史「コロナ禍と東アジア(ポスト)冷戦」
宮台真司「崩壊する日本の『絶望』と『希望』」
望月衣塑子「コロナ禍とメディア」
森 達也「禍福は糾える縄の如し」
安田浩一「コロナ禍の差別と排除」
安田菜津紀「共感の種を育てるために」
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左翼の逆襲——社会破壊に屈しないための経済学
発売日: 2020年11月18日
著者: 松尾匡
出版社: 講談社
ページ数: 288ページ
ISBNコード: 978-4-06-514239-4
コロナ禍が日本社会に与えた影響は計り知れない。特に経済では消費税増税と重なり大不況となっている。日本の支配エリートはコロナでもたない企業は潰れて良いと思っている現実。「高プロ」も愛国教育も、支配エリートの新「帝国主義」への布石だと喝破する松尾匡氏は日本のマルクス経済学者の白眉である。
松尾氏はこの悲惨な現実を読み解くにはマルクスの「疎外論」が重要だと説く。
本書では「生きているだけで価値がある」生身の具体的人間を主人公にして、制度や決まり事などの社会的なことが、その主人公からコントロールできなくなって一人歩きする事態を批判する。
ツールであったはずの制度や決まり事などの社会的なことが自己目的化し、生身の個人を手段化して踏みにじる、こうした事態を「疎外」と呼んで批判したのがマルクスの「疎外論」というわけです。
「支配階級」や「搾取」も「疎外論」から読み直すことを従来提唱してきた松尾氏は、生身の個々人のもとに経済のコントロールを取り戻すことが大切であり、社会全体で生身の個々人みんなの事情にマッチするように、社会全体の設備投資もコントロールする必要があると述べる。
まさにブレグジットの「コントロールを取り戻せ」です。(ブレグジットは適切な手段ではないですが——松尾)
本書は、この考えのもと、レフト1・0、レフト2・0の思想を乗り越えレフト3・0の経済学の真髄を示す全く新しい社会変革の書である。
目次
第1章 「人は生きているだけで価値がある」のポピュリズムを!
第2章 日本支配層の将来ビジョン——コロナショックドクトリンが示す円高帝国への道
第3章 レフト3・0の到達点と課題——欧米での失速の教訓
第4章 体制変革としての反緊縮
第5章 庶民がコントロールを取り戻すために
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定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2020年後半
発売日: 2021年3月12日
編集: 森達也 編著
出版社: 論創社
ページ数: 424
ISBNコード: 978-4-8460-2015-6
緊急事態宣言後の社会はどう変容したのか。
第二波を迎えるなかで強行された、Go Toキャンペーンの行方はいかに。
安倍政権から菅政権に変わったことで、コロナ対策はどうなっていったのか。
雇止めや解雇で大量の失業者が生まれるなか、政府は弱者に救いの手を差しのべたのか。
本企画では、17人の一流の論者がコロナ禍の日本社会を定点観測する。
第一弾は2020年の上半期を対象に刊行した。第2弾となる本書では、同年の下半期が観測の対象となる。
目次
森達也 第2弾の刊行に寄せて
斎藤環 第三波の襲来とワクチンへの期待
雨宮処凛 続・貧困の現場から見えてきたもの
上野千鶴子 コロナ禍とジェンダー 2
大治朋子 コロナ禍で認識する報道の課題
今野晴貴 コロナ禍の労働現場 2
斎藤美奈子 停滞する言論、活気づく右派論壇
CDB ダンスとハンマーの間で
武田砂鉄 続・アベノマスク論
仲正昌樹 コロナ禍と哲学 2
前川喜平 子どもの受難は続く
町山智浩 新型コロナ日記 イン アメリカ 2
松尾匡 ここまで来たコロナショックドクトリン
丸川哲史 コロナ禍と東アジア(ポスト)冷戦 2
宮台真司 コロナ禍は社会の性能を示す
森達也 私たちはずるずると泥道を滑り落ちている
安田浩一 コロナ禍のヘイトを考える
安田菜津紀 「人権」が絵空事にならないために
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資本主義から脱却せよ——貨幣を人びとの手に取り戻す
発売日: 2021年3月17日
著者: 松尾匡、井上智洋、高橋真矢
出版社: 光文社
ページ数: 290p
ISBNコード: 978-4-334-04526-5
豊かな現代に生きるはずの私たちが将来への不安や焦りを感じている根源的な理由の一つは、人生そのものが大きな負債(借り)を返すために成り立っているからである、と言うことができる。(中略)
しかし今や、人生の時間を投資した先に待っているのは年金さえ返ってこないかもしれない未来である。私たちの時間は、もはや不良債権になりつつある。
私たちはこの本で、違う新たなストーリーを提示したい。そこでは「返済日という未来」をずっと追いかけるのではなく、追いかけていたはずの未来こそが人生のスタート地点になるということ。つまり、ネガティブからポジティブへの反転である。
(プロローグより)
目次
プロローグ 私たちの「借金」とは何か?——高橋真矢
第一章 そもそも、お金とは何か?——高橋真矢
第二章 債務棒引き制度はなぜ、どの程度必要か——松尾匡
第三章 現代資本主義の問題点——井上智洋
第四章 私たちは何を取り戻すべきなのか——高橋真矢
第五章 銀行中心の貨幣制度から国民中心の貨幣制度へ——井上智洋
第六章 信用創造を廃止し、貨幣発行を公有化する——松尾匡
第七章 「すべての人びと」が恩恵受ける経済のあり方とは?——高橋真矢
第八章 淘汰と緊縮へのコロナショックドクトリン——松尾匡
第九章 「選択の自由」の罠からの解放——高橋真矢
第十章 「考える私」「感じる私」にとっての選択——松尾匡
第十一章 脱労働社会における人間の価値について——井上智洋
エピローグ 不平等の拡大と個人空間化——高橋真矢
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最強のマルクス経済学講義
訂正解説
発売日: 2021年7月15日
著者: 松尾匡、神山義治、浅川雅己、熊澤大輔、橋本貴彦、西淳、恒木健太郎
出版社: ナカニシヤ出版
ページ数: 418
ISBNコード: 9784779515866
資本論体系から数理マルクス経済学、マルクス主義的歴史理論まで。21世紀の超本格派マルクス経済学テキスト、ついに登場!
目次
第I部 資本論体系
序章 経済学批判体系の成立
1『.資本論』準備研究に至るまでのマルクス=エンゲルス前史
2.経済学批判体系の確立
【補論A】経済学批判の端緒としてのヘーゲル批判
第1章 商品と貨幣
――資本の生産過程(1)
第2章 剰余価値
――資本の生産過程(2)
第3章 相対的剰余価値の生産と大工業
――資本の生産過程(3)
第4章 資本の生産過程と蓄積過程
――資本の生産過程(4)
第5章 『資本論』における資本主義の歴史的位置
【補論B】資本の流通過程および総過程
第6章 恐慌論史
【第I部の関連人物たち】
第II部 数理マルクス経済学
第7章 投下労働価値の定式化と純生産可能条件
【補論C】行列とベクトル
第8章 マルクスの基本定理
第9章 マルクスの基本定理への批判と反論
第10章 均等利潤率と生産価格体系
第11章 均斉成長と傾向法則
第12章 投下労働価値の実証分析
第13章 価値利潤率と剰余価値率の実証分析
【補論D】投下労働価値分析のその他の応用事例
第14章 再生産表式
【第II部の関連人物たち】
第III部 経済史
第15章 マルクス主義的歴史理論の展開
――山田盛太郎から大塚久雄へ
【第III部の関連人物たち】
定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2021年前半
発売日: 2021年9月17日
編集: 森達也 編著
出版社: 論創社
ページ数: 340
ISBNコード: 978-4-8460-2064-4
Go Toトラベルが昨年末に中止され、一〇日後には全国の感染者数が過去最多の七八六三人となる。
水際対策が遅れた結果、全国の感染源は変異株に移行。
経済重視と五輪開催ありきで進み、後手に回るコロナ対策。
日本のコロナ禍は、いつ終息を迎えるのだろうか……。
本企画では、コロナ禍の社会を定点観測する。シリーズの第三弾となる本書では、二〇二一年の上半期が観測の対象となる。
目次
第三弾の刊行によせて 森達也
[医療]変異株の蔓延とワクチン接種の遅れ 斎藤環
[貧困]貧困の現場から見えてきたもの 3 雨宮処凛
[ジェンダー]コロナ禍とジェンター 3 上野千鶴子
[メディア]危機の時代のジャーナリズム 大治朋子
[労働]コロナ禍の労働現場 3 今野晴貴
[文学・論壇]コロナと五輪と戦争のアナロジー 斎藤美奈子
[ネット社会]職場で一人の女性が死んだ CDB
[日本社会]コロナ禍中脱力ニュース(2021年前半) 辛酸なめ子
[日本社会]続々・アベノマスク論 武田砂鉄
[哲学]コロナ禍と哲学 3 仲正昌樹
[教育]子どもと学生の生きづらさ 前川喜平
[アメリカ]新型コロナ日記 イン アメリカ 3 町山智浩
[経済]まだまだ進むコロナショックドクトリン 松尾匡
[東アジア]コロナ禍と東アジア(ポスト)冷戦 3 丸川哲史
[日本社会]甘ったるくてポエジーで楽観的な未来への視点を修正する 森達也
[ヘイト・差別]コロナ禍のヘイトを考える 2 安田浩一
[おまけ]論創社のコロナ日記 谷川茂
「新型コロナウイルスと私たちの社会」関連年表
定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2021年後半
発売日: 2022年3月31日
編集: 森達也 編著
出版社: 論創社
ページ数: 340
ISBNコード: 978-4-8460-2102-3
新型コロナの感染者数が増加の一途をたどり、緊急事態宣言が出される中、東京オリンピック・パラリンピックが強行された。8月20日には、全国の感染者数は過去最大の2万5992人となる。そして年末には、オミクロン株による感染拡大の兆候が……。コロナ禍はいつまで続くのか。不安はいつ霧消するのか。本企画では、コロナ禍の社会を定点観測する。シリーズの第4弾となる本書では、二〇二一年の下半期が観測の対象となる。
目次
斎藤環 デルタ株、ワクチン、そして東京オリンピック
雨宮処凛 貧困の現場から見えてきたもの 4
上野千鶴子 コロナ禍とジェンター 4
大治朋子 メディアと権力、医師、製薬会社の見えざる関係
斎藤美奈子 「戦場」を追うノンフィクション、「日常」を描くフィクション
CDB 台頭する維新の前で空転する意識のアップデート
辛酸なめ子 コロナ禍中脱力ニュース(2021年後半)
武田砂鉄 アベノマスク論 ザ・ファイナル
仲正昌樹 コロナ禍と哲学 4
前川喜平 第五波の中の学校
町山智浩 新型コロナ日記 イン アメリカ 特別編
松尾匡 コロナ火事場経済の「前門の虎」と「後門の狼」
丸川哲史 コロナ禍と東アジア(ポスト)冷戦 4
森達也 忘れたくない、慣れたくない。
安田浩一 ジェノサイドへの道のりを眺めているわけにはいかない
コロナショック・ドクトリン
訂正解説
発売日: 2022年8月28日
著者: 松尾匡
出版社: 論創社
ページ数: 230
ISBNコード: 978-4-8460-2190-0
論創社の「定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会」シリーズに連載された5回分の論考に補論をつけたもの。コロナ禍を利用して、日本資本主義のバージョン転換を進めようとする体制側ブレーンや財界リーダーのアイデアを追い、それがいかに現実の経済政策を動かしてきたかを明らかにしている。そして、コミュニティの一環をなしてこれを支える生業が滅び、一部の大資本ばかりが東南アジアからの搾取で栄えるスカスカの格差社会への移行を警告する。付録として、中京民商事務局の鈴木宏介氏との対談を収録し、コロナ禍下の個人事業者たちの苦悩や奮闘の具体例を伝える。
目次
第1章 コロナ下で進む日本経済の「転換」
補論 為替相場の決まり方
第2章 ここまで来たコロナショック・ドクトリン
第3章 まだまだ進むコロナショック・ドクトリン
第4章 コロナ火事場経済の「前門の虎」と「後門の狼」
第5章 二〇二〇年に入ってからの動き
第6章 [対談]京都で働く中小事業者たち@コロナ禍
定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2022年前半
訂正解説
発売日: 2022年9月30日
編集: 森達也 編著
出版社: 論創社
ページ数: 258
ISBNコード: 978-4-8460-2195-5
2021年末まで激減していた全国のコロナ感染者数は、年が明けると激増し、過去最大の10万4169人となった。オミクロン株の猛威が私たちに襲いかかるなか、各地の「まん延防止等重点措置」を3月に解除して以来、政府のコロナ対策は止まっている。「BA2」「BA5」と変異する同株は感染力を高め、2022年8月には全国で26万人の感染者数をたたき出した。
シリーズの第5弾となる本書では、2022年の上半期が観測の対象となる。
目次
斎藤環 日本は「COVID-19との共存」に向かうほかない
雨宮処凛 貧困の現場から見えてきたもの 5
上野千鶴子 コロナ禍禍を検証する
斎藤美奈子 コロナ文学、とりあえず進化中
CDB アベノマスクが形見に変わるとき
辛酸なめ子 コロナ禍中脱力ニュース(2022年前半)
武田砂鉄 アベノマスク論 リターンズ
仲正昌樹 コロナ禍と哲学 5
前川喜平 オミクロン株に見舞われた子どもたち
松尾匡 二〇二二年になってからの動き
丸川哲史 コロナ禍と東アジア(ポスト)冷戦 5
森達也 安倍元首相の銃撃とコロナ感染の第七波
安田浩一 レイシストの居場所などない
定点観測 新型コロナウイルスと私たちの社会 2022年後半
発売日: 2023年4月1日
編集: 森達也 編著
出版社: 論創社
ページ数: 288
ISBNコード: 978-4-8460-2230-3
新型コロナの感染拡大は、7月には第7波、12月には第8波を迎えた。
ウィズコロナにはほど遠い状況の中、感染者が自主検査をすることや、全数把握が見直された。変異株の流入を防ぐための水際対策は緩くなる。
一方で、年末には死者数が過去最多を記録した。日本社会は、新型コロナと向き合うことをやめつつあるのだろうか。
本企画では、コロナ禍の社会を定点観測する。
シリーズの第6弾となる本書では、2022年の下半期が観測の対象となる。
目次
斎藤環 ウィズコロナ時代の日本の選択とは
雨宮処凛 貧困の現場から見えてきたもの 6
今岡直之 賃労働と家族からの自由を求めて
上野千鶴子 失敗から何を学ぶか?
工藤千夏 コロナ禍の高校演劇
斎藤美奈子 コロナとテレビドラマ、その関係をめぐる二年半
CDB 感染を抱きしめて
辛酸なめ子 コロナ禍中脱力ニュース(2022年後半)
武田砂鉄 アベノマスク論 フォーエヴァー
仲正昌樹 コロナ禍と哲学 6
前川喜平 異常が日常化した「コロナ世代」
松尾匡 『コロナショック・ドクトリン』後のコロナショック・ドクトリン
丸川哲史 コロナ禍と東アジア(ポスト)冷戦 6
森達也 道に迷い、行きつ戻りつ、前に進む
安田浩一 切り捨てられる外国人労働者
反緊縮社会主義論——脱成長論と帝国主義の超克
訂正解説
発売日: 2024年7月19日
著者: 松尾匡
出版社: あけび書房
ページ数: 276
ISBNコード: 978-4-87154-266-1
前半では、著者の反緊縮論に対する左派側からの藁人形攻撃に反論しつつ、反緊縮経済政策を、人口減少時代に必然化された、貨幣創出の公共化を手段とする、総雇用水準と資本蓄積の公的コントロールと位置づけ、下からの事業としてのアソシエーション的変革と相互補完的な体制変革の道だとする。
後半では、世界的な資本主義の段階転換から、現代を地域帝国主義分立・対抗の時代と位置づけ、人口減少下で国内の資本蓄積が停滞する日本資本主義も、東南アジアなどへの資本輸出で資本蓄積の持続を図る地域帝国主義に向かっていると分析する。そして、中小企業や農業などの国内産業の淘汰や、財政緊縮・円高志向をこの一環に位置付けて説明する。その中から、脱成長リベラルがこの帝国主義構築に加担する結末になる危険を指摘し、反緊縮的体制変革こそがオルタナティブになることを浮き彫りにする。
目次
はじめに―藁人形物語に替えて
第1部 反緊縮社会主義論序説
第1章 社会的連関が個々人のコントロールを離れる「疎外」
第2章 生産手段蓄積の社会的コントロールこそ要諦
第3章 ミクロとマクロからの社会主義的変革の二契機
第4章 反緊縮経済政策理論の体制変革展望
補論① 「ぬるま湯」の世の中こそ目指すべきだ
補論② それは愚民観か「人民なめるな」かの政治判断だ!
第5章 「資本制=物象の支配」を変革するためのものとしての民主主義
第2部 21世紀の『帝国主義論』
第6章 21世紀の『帝国主義論』
第7章 「国内産業淘汰/海外進出」路線の先の帝国
補論① 悪いとこ取りの総合 ―岸田文雄首相の第211回国会施政方針演説について
補論② 共産党の「経済再生プラン」はすばらしいが、大事なことが1つ足りない
補論③ 円高時代の到来こそ警戒せよ
第8章 ウクライナ侵攻の帝国主義的背景としての穀物資本進出争い
第9章 ガザ虐殺の経済的背景
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