02年9月16日 北朝鮮は右派の聖地
小泉首相は何しに行くのか:
労働運動も強くなってそろそろ外で悪事をする年頃にまで育ってきた韓国資本主義と、体制崩壊の縁に立って生き残りを図る平壌政権にとって、平壌政権を奴隷頭として北朝鮮を韓国資本に提供するという選択肢は、正に「魚心、水心」だったにちがいない。「共同宣言」以降進行するこの事態を、日米はおっかなびっくり模様眺めしていたのだろう。
しかしここに来て、韓国資本の北朝鮮進出のペースは急にダウンした。そこで北朝鮮はまったなしの経済改革が迫られ、先日の独立採算制推進改革に至ったわけだ。
これを見て、日米も食指を動かしはじめたというところだろう。アメリカにとっては、迫るイラク攻撃に際して北朝鮮が連動しないように引き止めておきたいという思惑もあるだろう。しかしこれまで平壌政権をならずもの呼ばわりしてきたブッシュ政権がいきなり自ら動くわけにもいかない。
そこで、経済苦境の中でここらで一発世論受けしたい小泉首相が、ひとつはアメリカの意を受けた露払いとして、もうひとつにはアメリカよりも先に北朝鮮進出に手をつけるために、訪朝に乗り出したというところだろう。
それゆえ左翼陣営にとっては、このような動きは決して歓迎できるものではない。我々からすれば、日本人被拉致者が帰ってこようが日本人妻が帰ってこようが交渉の余地はない。ただあの体制の打倒、それだけが目指すべきものである。
右派こそ北朝鮮擁護になるはず:
逆に右派の方にこそ、北朝鮮現体制を擁護しなければならない理由がある。たとえば次のようなものが考えられる。
大日本帝国をおいてきた:
誰かが日本の国粋主義勢力を評して北朝鮮こそ彼らの理想国家ではないかと言っていたが、私もそう思う。反人権、厳罰主義、愛国主義、忠誠道徳、反西洋、あの体制の根本原理はどれをとっても日本の右翼の心に響くではないか。
北朝鮮は日本が戦前をおいてきたのである。これをこの世から除去することこそ最大の戦後処理である。