松尾匡のページ
02年9月27日 教育改革の一アイデア
私は「国民総背番号制」は反対なのだが、できてしまったのならこんな活用法がある。まああまり本気で主張する気はないのだが、頭の体操の一つとして受け取ってほしい。
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各個人の所得税の一定割合(ex. 0.1%など)を政府から配当してもらえる権利を証券化して売買市場を作る。(この配当は非課税)
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教育機関は子供の受入時にその子供のこの「証券」を時価で買わなければならない。そして卒業後10年間、その売却を禁止する。
つまり、もともとお金持ちの子息とか、天才の子供の「証券」は高くなるので、学校にとって受入にコストがかかる。一見将来の稼得能力がそれほど見込まれない子供の「証券」は安いので、学校としてはなるべくそういう子供を受け入れた方が、コストがかからなくてよい。そして、そういう子供に一生懸命教育をほどこせば、10年後にはその子供の「証券」に高い価値がつくので、学校はキャピタルゲインがもうかる。いわゆる障害者などでも、一人でも詩人や芸術家などで大当たりする人がでれば、学校としては大儲けだから、よろこんで受け入れるだろう。
10年後の成功には人格的な要素も当然必要になるから、単なる学力重視にはならない。詰め込み教育などで子供の人格に悪影響を与えると、将来学校がキャピタルロスを出してしまう。将来の余命が長く見込めない子供についても、そういう子供を受け入れて交流したことが他の子供の人格形成にあたえる好影響を考えて、学校としては積極的に受け入れようと考えるはずである。
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