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 02年12月22日 鎌倉もの小説のアイデア


 鎌倉時代前半が大好きで、ちょっとした趣味になっている。
 時間があれば鎌倉前半を題材にした小説を書いてみたいのだが、なにしろ全然時間がなくて。アイデアはいくつか思い浮かんでいるが書く暇がない。
 その中に、一風変わったネタがある。書きはじめる暇を待っていたら何十年後になっていることやらわからないので、ともかくアイデアだけ、登場人物紹介の形式で書き留めておこう。
(追記:トーマス・エドワード・ロレンスの階級は、中東赴任時点が「中尉」で、除隊時点では「中佐」であった。──07年10月8日)

登場人物

ジョージ・オーエル
 小説の話者。イギリスの知識人。英領バンドゥスタンのビルマで官吏をしていて植民地主義の不条理さを目にする。本国に戻った後、スペイン内乱の共和国側義勇軍に参加、ファシズムとスターリニズムのおぞましさを体験する。帰国後、これらの体験をもとに小説を書きはじめるが、やがて第2次世界大戦でユーラシア大陸全域が枢軸国の支配下に入ったことに絶望、田舎で遁世生活を始めようとしていた矢先、バンドゥスタンの反乱の成功の報を聞く。かつてのビルマ官吏時代のつてで、やがてバンドゥスタン臨時政府からしばしば相談が持ち込まれるようになり、ついにバンドゥスタン臨時政府大統領ヨリトマ・ゲンジーから政治顧問としての招請状が届き、バンドゥスタンへ渡る。その後、新政府機構の樹立や外交政策などに力を尽くす。

ヨリトマ・ゲンジー
 トーマス・エドワード・ロレンス中尉が若いころバンドゥスタンの有力藩王ゲンジー家の娘との間にもうけた息子。イギリス本国で将校教育を受け、第2次世界大戦ではバンドゥスタン人部隊を総括する少佐として従軍したが、日本軍に捕らえられ、日本軍占領下バンドゥスタンのコージマヒール収容所で終身禁固に服す。服役しながら、周囲の協力で外部と連絡を取り続け、バンドゥスタン解放戦線の武装蜂起によって解放。同戦線の司令官となり、バンドゥスタン全土を日本軍から解放する。
 その後、新都ニューデリーを建設してバンドゥスタン臨時政府大統領を称するが、連合軍優勢に転じ大英帝国内での影響力が強まるにつれて独立路線を撤回。大英帝国の枠組みを維持した全英連邦の人民政府を究極目標に、当面、大英帝国の全有色人を総括する東洋連邦政府樹立を目指す、「全英革命路線」を掲げる。
 第2次大戦の終結後、サフジワラビアを軍事占領。その後、英本国の政権交代により、念願の「東洋大総督」に任命される。ロンドン政府をブリテン島の地方政府として、全英連邦政府の下位に置くことを目指し、交渉を続ける中、急死する。

ジマサルラル・ノールー
 イギリス留学から帰国後、バンドゥスタン独立運動のリーダーとなる。コージマヒール収容所のある地方の官吏としてヨリトマ・ゲンジーと連絡を取り続け、武装蜂起を主導。娘をゲンジーと結婚させて、ゲンジーの最も有力な後ろ楯となる。ヨリトマ・ゲンジーの死後、第2代総督サンライ・ゲンジーをクーデターで失脚させ、東洋連邦政府初代首相に就任する。しかしその後、職権乱用やクーデター未遂を議会から弾劾され、失脚する。

バンディラ・ゲンジー
 ノールーの娘。収容所中のヨリトマ・ゲンジー「少佐殿」と結婚して、バンドゥスタン解放戦線との間の連絡を担う。ヨリトマ死後、息子の第2代総督サンライ・ゲンジーを失脚させたクーデターを主導し、その後の父ノールーの解任も主導する。次息の第3代総督ラジツ・ゲンジーの暗殺後、東洋連邦の事実上の最高権威者となり、ロンドン政府との武力衝突となったスエズ戦争では全軍を鼓舞して東洋連邦の勝利を導いた。
(インディラ・ガンジーは、初代インド首相ジャワハルラル・ネールーの娘で、後にインド首相になる。マハトマ・ガンジーとは関係ない。)

チバンドラ・コーズー
 バンドゥスタン独立運動の指導者の一人。急進ナショナリズムを掲げてノールーらとたもとをわかち、枢軸国の軍事力を借りることを企てて、日本軍収容下のバンドゥスタン人捕虜を「バンドゥスタン国民軍」に編成、日本軍とともにバンドゥスタンに攻め込む。その後日本軍占領下のバンドゥスタンで、バンドゥスタン国民軍を率いて一大勢力を保つが、次第に日本軍の軍政に不満を抱くようになり、バンドゥスタン解放戦線の武装蜂起の後、日本を見限って解放戦線に合流、バンドゥスタン解放に重要な役割を果たす。
 やがてナショナリズムの立場からヨリトマの「全英革命路線」と対立。粛清される。
(チャンドラ・ボーズーは、急進ナショナリズム路線からネールーらとたもとを分かち、枢軸国の軍事力を借りることを企てて、日本軍収容下のインド人捕虜を「インド国民軍」に編成。日本軍とともにインド侵入を図ったが「インパール作戦」で壊滅的敗北を喫する。)

ジョシュア・ホーガン・ロレンス
 トーマス・エドワード・ロレンス中尉が除隊後、全欧の銀幕スター、トキア・ホーガンと恋愛して設けた子供。ロレンス中尉は(この物語の世界では交通事故死せず)第2次大戦の欧州戦線で戦死。オランダで途方にくれていたトキア・ホーガンをヒトラーが国策映画のために招致して寵愛し、息子ジョシュアは南仏クラメールの僧院に幽閉されることになる。ジョシュアはここから英国情報機関MI6の手引きで脱出し、中立国サフジワラビアの王室で育てられる。
 兄ヨリトマらの武装蜂起の報に接してサフジワラビアを出てバンドゥスタン解放戦線軍に合流、ナチス・ドイツ滅亡後全欧を占領していたロシア軍を、英国政府の要請を受けたヨリトマの命にしたがい放逐する。その後、大平洋戦線で自ら戦闘機を操縦して日本軍を次々と撃破、第2次世界大戦の終結に大きな役割を果たす。
 その後戦功によりロンドン政府より「サー」の称号を受け英国国軍での軍位を高めたことで、ニューデリー政府から圧迫を受け、ロンドン政府に迫ってヨリトマらを「反乱軍」と規定させる。しかしニューデリー政府の強硬な威嚇と世論の反発によってそれは撤回、逆に武力で威嚇したジョシュアの方が「テロリスト」と扱われることになり、世界を逃亡することになる。結局サフジワラビアのイブン・サフド国王に庇護されるが、同国王の死後、イギリスの圧力に屈した後継国王によって身柄引き渡しが決まり、逮捕に抵抗して殺害される。

ウィンストン・クワーシル
 第2次世界大戦中の英国首相。保守党党首。枢軸国との戦争の裏で、ロンドンの大英帝国支配を守るために、ヨリトマ政府との間の虚々実々の闘いに死力を尽くす。バンドゥスタン軍の分裂を画策して、ジョシュア・ホーガンに「サー」の称号や国軍高官の地位を与えて自陣営に取り込み、さらに第2次大戦終結後は多くのバンドゥスタン軍人に同様の取込み工作を行う。しかしその後、ジョシュアに迫られてヨリトマ側を「反乱軍」と規定した失策をとがめられるや、一転ジョシュアを「テロリスト」と規定する。そして、ジョシュアの捜索・逮捕のためということを口実に、ヨリトマ政府が全有色人植民地の総督(知事:Governer)を任命する権限を認めることを余儀無くされる。
 ジョシュアのサフジワラビア入りが明らかになって後、ヨリトマ政府に迫られて同国に引き渡し圧力をかけるが、ジョシュア死後のヨリトマ軍のサフジワラビア侵攻はついに認めず、占領後事後承諾した。その後はじめて行われたヨリトマとの首脳会談では、「サー」の称号や政府閣僚の地位を持ちかけて懐柔を図り拒否されるが、ヨリトマ側が望んだ古文書中の官職「東洋大総督」への任命はついに拒み通した。

イブン・サフド
 サフジワラビア初代国王。かつてトルコからの独立に際しロレンスの助力を受けた。第2次大戦中は、イギリス資本で建設した油田からの原油を枢軸国にも輸出し、侵攻されたら油田を爆破して遊牧暮しに戻ると脅して中立を保ち、原油輸出で膨大な富を築いた。ロレンスの息子ジョシュアを養育し、その失脚後はロレンスの再来として手厚く庇護し、わが子のように寵愛した。死に際し、息子のサフド、ファイサルらに、ジョシュアを軍最高司令官として固く団結してバンドゥスタンと対抗せよと遺言する。しかし後継サフド国王はイギリスの圧力に屈してジョシュア引き渡しを決め、故ロレンスを師とあおぐファイサルの反乱を攻め滅ぼして、ジョシュアを殺害する。だが、多くの失政により民心を失い、サフジワラビアはヨリトマ軍の侵攻の前にあっけなく滅亡する。

ベン・K
 ジョシュア・ホーガンのボディガードとしてクワーシルから送り込まれたMI6の諜報員。結局ジョシュアに惚れ込んでサフジワラビアまでついていき、最期を共にする。

ジョー・Q・マッケンジー
 英国労働党党首。総選挙で勝利してクワーシルの後の英国首相になる。ヨリトマ・ゲンジーに「東洋大総督」の官職を与えることを認め、いまや「東洋連邦政府」と称したヨリトマ政府との協調路線を歩む。スキャンダルがもとで総選挙に敗北し、保守党に政権を譲る。

サンライ・ゲンジー
 ヨリトマ、バンディラ夫妻の息子。ヨリトマ死後第2代東洋大総督を引き継ぐ。放恣な性格に伴う恣意的な政治運営が批判を呼び、病気を理由に議会から、総督権限の弟ラジツとの分有を決議される。それに反発したことが自己クーデター計画の疑惑を呼び、ノールーらによる逆クーデターを招き失脚。幽閉先で「事故死」する。
(サンジャイ・ガンジーはインディラの息子。後継者に目されていたが放恣な性格が災いして人望がなかった。交通事故死する。)

ラジツ・ゲンジー
 ヨリトマ、バンディラ夫妻の息子。兄サンライの失脚後、第3代東洋大総督となる。このときから議院内閣制が取られ、政治の実権は議会から選ばれた首相に移る。西洋人を妻に迎え、「サー」の称号を受けて、英国上院議員に列する等、西洋指向を強める。これが、反東洋連邦志向をとるイーデン内閣と気脈を通じているのではないかとの疑惑を生む。テロにより暗殺される。その後、東洋大総督職は完全な象徴職となり、英本国より貴族や王族を形だけ迎えるようになる。
(ラジブ・ガンジーはインディラの息子で、インディラ死後、インド首相になる。妻ソニアはイタリア人。テロにより暗殺される。)

ゴバート・A・イーデン
 英国首相。保守党党首。クワーシル内閣下で主要閣僚を歴任し、クワーシルから重用される。首相就任後は、反東洋政府志向を強めて軍拡に努める。ラジツ暗殺後、東洋連邦政府の混乱を見越し、スエズ運河国有化を宣言したエジプト知事(総督)の解任を東洋連邦政府に要求、「現地より民主的に選出された知事は東洋連邦政府と言えども大過なく解任しえず」との回答を得るや、東洋連邦政府の違憲状態を宣言して、同政府内閣の解散を通告、スエズ運河の確保と東洋連邦内閣打倒のための軍事攻撃に着手した。しかしたちまち撃退され、英本国の世論も悪化、イーデン内閣は崩壊する。
 その後、英連邦全体の中でのロンドン政府と東洋連邦政府の力関係は完全に逆転し、ヨリトマ・ゲンジーが目指した「ロンドン政府をブリテン島の地方政府とする全英連邦人民政府」という理想が事実上実現される。
(ロバート・A・イーデンはチャーチル政権下で主要閣僚を歴任し、後年保守党内閣の首相になる。1956年にエジプトのスエズ運河国有化を阻止するためにエジプトに軍事侵攻し、国内外の批判を浴びた上失敗し、辞任に追い込まれた。)

 この上に、『ビルマの日々』に主人公(オーウェル自身がモデル)の友人として出てくるビルマ人医師を、その後出家して諸国を巡る僧侶として登場させ、全体主義を憎んでいたはずのオーエルが、政治運営のために、自分の理想に反する民主的原則の侵犯に手を染めたり、人々を傷つけたりするたびに、オーエルを責める役として登場させたい。
 
 
 
 

 

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