03年9月3日 低投票率問題に対処する制度
先日の埼玉県知事選挙、あれだけ注目されながら投票率は35.8%にしかならなかった。そのうえ候補が何人も立っていたから、当選者も4割くらいの得票しかしてなく、結局、全有権者の15%ほどの支持で知事になれるわけだ。別に当選者にケチをつけるつもりは全然ないが、これでいいの? と思う。
こういう問題、知事選挙や大統領選挙みたいな首長公選制への対応は結構難しいが、議会選挙への対応ならば、解決する制度的アイデアを考えてある。日本の国政レベルでは憲法改正を要するが、地方レベルでは導入可能だと思う。
どうするかというと、議会は総定数を決めないで、何票以上得票したら当選としておく。例えば1万票以上得票した者は当選。そして任期をズラして選挙するわけだ。例えば6年任期のところを2年ごとに選挙するなど。
すると、投票率の高い選挙では当選者がたくさんでる。投票率の低い選挙では当選者が少ない。任期をズラしているからそれらが混ざり、議会全体としては、投票率の高い選挙結果ほど影響が大きくなるわけである。
ただ、この場合は、低い投票率が長年続いたならば、ごく少数の議員でものごとが決まってしまう可能性もでてきてしまう。
そこで、この問題に対処するためには、十分な数の総定数を決めておいて、任期の方をなくせばよい。例えば2年ごとに選挙を行い、一定票、例えば1万票以上得票したものは当選。そして総定数をはみ出した分は、一番古い選挙で選ばれた議員の中で、得票の少ない順から失職させる。一番古い選挙の当選者が全部いなくなってもなお総定数をはみ出すならば、今度は二番目に古い選挙で選ばれた議員の中で、得票の少ない順に失職させる。以下同様にして、議員の数が総定数に等しくなるまで失職させる。
そうすれば、とても低い投票率の選挙が何度も続いたときには、過去の選挙で選ばれた議員がずっといすわるだけの話で、少数の議員でものごとが決まるおそれはなくなる。どうしても議会を刷新したければ投票にいかなければならないわけだ。
この仕組みは、短期的な民意のブレに対して議会が安定的であったり、現職者にとって辞任して立候補する賭けを要するので連続再選がしにくいなどの特徴があるので、本来は国政レベルにおける上院に向いていると思う。