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 04年6月2日 公選制論議・議会選挙制度・二院制改革


 統治機構システムをめぐる問題で、昔から議論が続いている二者択一論点に次のような三つがある。

1. 議院内閣制か行政首長公選制か
 政府を議会が作る議院内閣制の場合は、通常は政府と議会多数派の立場が同じで国政の麻痺が避けられる上に、いざ政府が暴走したときには、議会が政府を不信任することでそれをストップさせることができる。しかし、従来の日本のように議員が利益誘導で選ばれる場合、あるいは多党が分立する場合、議会選挙が政府の選択に結びつきにくい欠点がある。それに対して行政首長を公選した場合には、有権者が直接政府を選択できる明瞭さがあるが、議員が政策で選ばれにくくなったり、政府と議会が食い違った時国政が麻痺したり、逆に政府が暴走しても議会が政府を辞めさせられなかったりする。

2. 小選挙区制か比例代表制か
 選挙区から議員が一人だけ選挙される小選挙区制の場合、二大政党になりやすく政治が安定するが、死票が多くなり、少数意見が切り捨てられる。比例代表制の場合、有権者の多様な政策志向が反映できるが、小党分立して政治が不安定になりやすい。

3. 一院制か二院制か
 一院の暴走をチェックするために二院制がとられるが、同じ性質の二院を並べてもチェックの意味はない。しかし逆に二院で互いの構成が食い違うと、国政が停滞してかえって民意を反映できなくなる。

 この三つの問題を一挙に解決する制度を思い付いている。(別に日本で実現するべきとは思わないが。)
 


 

 
 
 

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