松尾匡のページ

 05年8月25日 作曲2


 夏休みに入っても、全然楽になりません。
 特に、メインの仕事は、本一冊分の原稿を休みに入ってゼロから書き出したこと。これを八月一杯で終わらせる計画である。今、ほぼ絶望に近付いていてあせっている。知力、体力、精神力ともに三十台半ばがピークだった。いつも当時と同じつもりでほいほい何でも引き受けて、簡単に計画してしまうのだが、実際やりはじめると消耗著しい。
 全く、頭がピークの時期をろくに本業の研究をせずに雑務に追われて無駄に過ごしたものだと思う。近ごろは、たまーに、ほんとにたまに数理経済学の論文を書くと、半年前の原稿の校正が来た時、自分の解いた数式が導き出せなくて正誤が確かめられない。あちこち探し回って当時の計算用紙を見つけだしてきたら正しかったりして、半年前の展開に自分で感心したりする。二十歳台のころの証明を空で展開しようとしても全然できなかったし。どんどん頭悪くなっているなと思う。
 今書いている原稿も数理経済学じゃなくてもっと一般向けのやつ。こんなことをやっているうちに朽ち果てていくんだわと思う。

 というわけで、エッセーの更新も滞っていたのです。
 あんまり間をあけるのも間抜けなので、すぐできるやつということで考えたら、思い出した。
 十年ほど前に、神戸の「えんぴつの家」という障害者の作業所を作った偉大な市民事業家、故玉本格さんの作られた詩「みんなのうた」に、勝手に曲をつけたら、本人に大変喜ばれてうれしかったことがある。

 去年ぐらいだったか、いつも神戸にいったらとんぼ返りのスケジュールなのに、たまたまゆっくり時間ができたときがあって、ひさしぶりに「えんぴつの家」を訪れた。そのとき、玉本さんの後を継いでがんばっていらっしゃる松村敏明さんに、この曲をホームページに載せていいかどうか聞いたら、よいとのことだった。

 それがそのままずっと載せないでいたことを思い出した。スキャンするだけですむのでこれをネタにしよう。テンポはゆっくりめのつもり。

 私は著作権など主張しないと松村さんに言ってありますので、演奏、CD化(!?)のお問い合わせは、「えんぴつの家」

まで。

 

 

 

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