06年1月17日 あえて言う。郊外大型店再規制に反対せよ。
政府・与党は、今年の通常国会で都市計画法を改正し、中心市街地活性化のために郊外大型店の出店を再制限することを検討している。
実際、このかんの規制緩和によって、郊外大型店が続々できた結果、各地の中心商店街は衰退し、地方の中小都市ではシャッター通りと呼ばれる光景になってしまっている。これは私達まちづくりにたずさわってきた者にとっては、年来の深刻な悩みのたねであった。
では、今回のこの政府の再規制方針は、歓迎するべきことなのだろうか。
私はあえてこれに反対すべきだと主張したい。
郊外大型店出店の再規制で一番保護されるのは誰か。中心商店街か。違う。
最もトクをするのは、既に進出してしまっている郊外大型店である。郊外大型店は、常に、新規参入者の潜在的な競争圧力を受けてきたのである。これが、新規参入があり得ないという事態になったらどうなるか。地域の商圏の中でごく少数の大企業による寡占が起こる。
おそらく、商店街が息を吹き返して重大な競合相手になるちょっと手前の、ギリギリの高さの値段にまで、販売価格を引き上げるだろう。低価格時代は終わりだ。こんなリフレ策ってあるか?
(そもそも、誰もこの恐れに気付いていないなら、予想されないのだから景気刺激策にはならない。)
結局、中心商店街の廃虚の上に、既存大型店の君臨が完成するということになりかねない。まあ、景気そのものが上向きだから、商店街は多少は楽になるだろうけど、それは景気のおかげであって再規制のおかげではない。
そもそも、デフレ不況のときに規制緩和で競争激化させ、景気が回復したら再規制して競争制限するなど、全くやるべきことがあべこべのひどい政策の組み合わせではないか。