松尾匡のページ 10年7月11日 『不況は人災です!』早速の反響と近況
新刊本の『不況は人災です!』、事務屋稼業さんから早速好意的なご書評をいただきました。ありがとうございます!
やさしい左翼のための経済学―『不況は人災です!』 意図を正確に汲み取っていただけて、うれしいです。誤植のご指摘もいただいているので、お知らせします。
p192 7行目 「現代のデフレ論」→「現代のリフレ論」
あんな徹底的にゲラ見直したのははじめてで、もう訂正はないだろうと思っていたのに、こんな意味正反対な誤植が残っていたとは! ガックリ。
補足資料・訂正のブログにも載せておきましょう。これ、とりあえず暫定的に立ち上げてあって、まだ途中だしミスもたくさんあるのですが、一応、最後までの原稿と修正部分は送ってあります。この一、二日のうちには完成版がアップされると思いますけど。
ほかにも誤植など残っているかもしれませんので、みなさんご指摘下さい。
というわけで、『不況は人災です!──みんなで元気になる経済学・入門』よろしくお願いします。税込み1680円です。
(出版社の紹介文)
◆いつクビになるかと不安な人々、就職難にあえぐ若者たち……。デフレ不況で元気をなくした平成ニッポン。どうすればいい? 世界標準の新理論で、処方箋を提示する。
◆ この本は、みんなのための経済学・入門として書かれました。
ご存じのとおり、失業者の数は今も300万人以上。新卒採用も、厳しい状況が続きます。
給与所得にしても、ここ10年ほどでぐっと下がってしまい、低水準のまま。
なぜ、こんな泥沼のような不況に陥ってしまったのでしょう?
(本書を読めば、その主因が、間違った政策や無策にあることが、よく分かります)
ならば、どうすればいい?
(そのための処方箋も、明快に語られています。その一端を紹介するなら、経済学の新理論に基づいて、これまでの金融政策を改めること、です)
そして、本書を読めば、世界標準の経済学のエッセンスが理解できるようになります。「新しいケインズ理論」です。キーワードの一つは、「流動性のわな」(これに陥ると大変。そして日本は現に今、そうなっているのです)。もちろん、むずかしい数式や曲線は一切、ありません。
間違った金融・経済政策を見抜くためにも。
一日も早くこのデフレ不況から脱するためにも。
新しい経済学のエッセンスが身につく本書を、ぜひ、ご一読ください。
(少し長い)はじめに
第1章 よーく考えよう、景気は大事だよ
第2章 二つの経済成長って?
第3章 先の景気「回復」の原因とは?
第4章 再び不況に転落した理由
第5章 新しいケインズ理論の登場!
第6章 金融緩和は誰の味方?
第7章 デフレ不況を克服する!
おわりに
amazon bk1 セブンアンドワイ 本やタウン さて、近況なのですが。
ああああ...。『図解雑学』のマルクス経済学本の校正稿がきたけど、多大な時間をかけたイラストが大半消えてしまっていて、ただの文字とか
ピクトさんになってしまっている。イギリスの18世紀の治安兵とか労働者とか、産業革命時代の労働者とか、律令時代の村役人とか平安時代の武士とか、みんなちゃんと歴史考証してかいたのに消えちゃってるのね。キリンもアサヒもサッポロもサントリーも、1970年代当時のラベルをちゃんと調べてかいたのにそれも省略ですか。ハッハッハ。
なんだか心理的に進みません。各見開きのリード文もまだ書かなければならないのですけど、それもさっぱり。
そういえば、人事の審査の仕事が思ったようにいかなくて、ズルズルひきずっているのですけど、その論文も読まないといけないのに進んでないし。
そう言えば、立命館の経済学史の講義は出席者50人ぐらいなのに、受講登録は六百何十人だって。定期試験、マークシート採点にしたいと思ったら、試験後九州に帰るまでの日数では事務での整理が不可能だから、読み取り期の操作のために大学にまた出てこなければならないとのことで断念。しかたないから今年も手採点だけど、しんどそうだから全部記号の選択式にしようとしたら作問が大変で、昨日一日つぶしてやっとできた。まだ久留米大学の定期試験の作問が手をつけてありませんが。
なんかこのところ、何をやってもうまくいかないのですよ。いやもともとそういう人生なんだけど、ますますひどくなっているみたい。こんど出た『不況は人災です!』もいろいろ手こずったけど、あまりたいしたことでないようなカバー写真だけでも、ずいぶん大変だったし。デジカメで二回撮ったけど二回とも解析度が足りないとかで駄目になって、最後は久留米大学の写真部の学生に学生課経由で頼んで撮ってもらってやっとOKになったものです。タイムリミットがぎりぎりなので、撮った授業の後すぐに電送しようとしたのですが、これがまた解析度が高いもんで、重くて何やっても送れないの。ヤフーやらミクシーのアップロードも駄目で、最後は大胆にトリミングしてやっと送れました。
そういえばこないだ。ちょっと聞いてよの世界。
立命館にいる夜に妻から電話があったんだけど、高校1年生の息子が夜塾にいく振りをして逃亡した事件があったわけ。それでまあどうってことはなくてじき家に戻ってきたのだけど、塾の先生が心配して探してくれてたのです。
それであんまり悪いので、翌日がちょうど守山の付属高校の授業の日だったので、守山市にある、天下に轟く
たねやさんの洋菓子店「
守山玻璃絵館」で菓子折りを買おうと思い立ちました。インターネットで調べた地図を打ち出したのですが、最初打ち出した地図は駅が入ってなかったので、駅を入れたやつをもう一回打ち出したのですけど、なぜかそっちは持たずに、最初の駅の入ってない方を持ってきてしまいました。
それで授業後、高校からちょっと距離があったのですが、なんとか目的地まで歩いて到達することはできました。木曜日の昼前だというのに焼きたてバウムクーヘンのために行列が出来ている!とりあえず菓子折りを自宅宛に送って、ついでにおみやげも買って、せっかくだから一人で寂しいけどティールームでケーキバイキングでもと思ったら、11時半なのに、1時半まで満杯だって。すげー。すごすご退散。
それで駅まで歩いていこうと思ったら、方向はわかっているはずなのに延々行き過ぎてしまい、町の中をぐるぐる迷ったのでした。
大学のある南草津駅についたときには、もうこのままでは三限目の授業には間に合わない。朝大学から駅まで自転車で来ていたので、駅の駐輪所に自転車を置いてあるのですが、自転車でもバスでも間に合いそうにないので、仕方なくタクシーに乗りました。
そしたら、運転手さん曰く、その日は気温三十何度あったそうで...。真夏日の中を歩き回っていたのでした。さらに、それも今日までで明日からずっと雨だとか。え?それは困る。ボクはその日自転車を駐輪所に駐めたまま、九州に帰るつもりをしていたのですけど、今度立命館に来たとき雨で自転車の回収ができなければ駐輪料金がどんどんかさんでしまう。
しかたないので、その日大学の授業が終わってから、バスで駅まで降りてから自転車を回収して大学まで戻り、そしてまた駅まで降りて九州に帰ったのでした。
その数日後の日曜日は、東京で某学会の仕事がありました。それで、前夜から上京しなければならなかったのですが、筑摩書房の編集者がそれを聞いて、東京に着いたところで四校を直接渡そうということになりました。学会が飛行機代を出せないので新幹線で行くしかなくて、その受け渡しがあまり夜遅くならないようにするには2時台には久留米を出なければならない。
ところが、その日土曜日は塾のあく日で、その日に菓子折りを持って先生に謝りにいかなければなりません。塾が開くのは1時なので、自転車で移動しているとぎりぎりのタイミングです。
で、首尾よく先生にご挨拶して、きびすを返して久留米駅まできて、自宅に帰る時に便利な、出来たばかりの西口の臨時駐輪所に自転車をおいて鍵をかけようとしたら。
かごに入れてあるはずのチェーンがない。
九州新幹線開通に備えて久留米駅に西口が出来たのですが、そこの駐輪所はまだただの更地で管理者もいないから、自転車備え付けの後輪鍵だけでは幾晩も駐めておくのは不安なので、チェーンを買っておいたのでした。それがない。
実は、子供が塾逃亡したとき、自分の自転車では高校のステッカーが貼ってあって夜うろつくと通報が行くと思ったのか、ボクの自転車に乗っていったのでした。そしてそのとき無意識にかごの中のチェーンを出していたのでした。
そんなことは知らなかったけど、もう自宅に探しにいく時間はない。駅の表口の有人駐輪所に駐めに行く時間もない。しかたがないので、後輪鍵だけして旅立ったのでした。
このあとも、やっぱり筑摩の編集者と一回でスムーズに待ち合わせができなかったし、新幹線と学会の仕事の会場の長時間冷房で、体調を崩して頭痛くなるし、といろいろ試練を超えて、木曜日の夜久留米に帰ってきたら。
案の定、自転車盗られてた。
駅前の交番まで届け出に行ったらパトロール中だとかで誰もいない。後日にするか...と駅に戻ろうとしたら、目の前を、家に行く方向のバスが通り過ぎていく。次のバスまで待つくらいなら歩いた方が早いので、30分ぐらい歩いて帰りました。
家についたら...
いやいや、郵便受けがあふれているとか、夕食の後片付けをみんなの分するとか、そんなことは慣れているからいいんですよ。
妻が高熱出して寝ていた。
それで、タオルで冷やしてくれとか、お茶をもってきてくれとかのご要望に振り回されていた次第。
今、学部の人事審査のことで、思い通りにいかなくて、膨大な労力が無駄になっているのも、きっとボクのツキが悪いせいですよ。ボクを仕事に巻き込むと、絶対に困難が降り掛かってくるんだから。わかったよね。
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