松尾匡のページ11年4月11日 国債の日銀引き受けで利子率が上がるだって?
今日から授業です。この春休みは、久々に入門書の原稿もないし、ゆっくり学問できると思いきや、結局連日市議会選挙の仕事にかまけてしまったのでした。
今年に入ってからの毎月の後援会機関紙。全部ボクが作ったんですよ。原稿はひとに割り振って書いてもらったりもしてますけど。
そのほか、ポスターも選挙公報原稿もチラシやらなにやらも作って、印刷屋さんとやりとりして、名簿整理のきりもりもして、選対会議のレジュメ作って司会進行して...と、いろいろやっているように思ったけど、事務所に詰めている近所のおばさんたちが、雑務の合間を縫って案内などの電話かけにいそしんでいる姿を見ると、やっぱり自分は一番キツい仕事からは逃げているなと。やがてそれが心理的負担になってのしかかってくるので、ときどき申し訳程度に案内電話かけとかするんですけど、やっぱり疲れるよね。みんな疲れてもやってるんだけど...ときどきお茶碗洗ってるから許してね。
ところが昨日の県議選では、系列の県会議員が落選しちゃってびっくり。
東京じゃ、石原さんが早々当選決めるし。いや、ゆめゆめ都民を責めたりバカにしたりしてはなりませんぞ。みんな得られた情報のもとで最適になるように判断しているのです。あれだけの暴言と悪政を重ねながら四選を許すというのは、ひとえに運動を作る側の責任です。猛省しなければ。
全国的にものすごく厳しい結果で、我々はこの現実から目をそらしてはならない。
やっぱり世の中甘く見てたと思いました。授業が始まるまでに、キツいとか思わずもっと前線でがんばっておくべきだったと思いました。ともかくあと二週、手の空く限りがんばるしかない。
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ところで、4月3日づけの本サイトトップページの書き込み、先日新しい日銀審議委員に白井早由里さんが国会で承認された話なんですけどね。この復興資金がいくらでも要るご時世に、名うての金融緩和嫌悪派のご指名。だと言うのに、民主党も自民党もみなこぞって賛成でした。「フン、ご立派なこと言ってた脱デ議連の面々も、所詮ブルジョワ政治家だよね」と思いきや、社民党も共産党も賛成しているじゃないか。OΓ乙。
共産党なんか、最高裁判所の裁判官の国民審査のとき、とりあえず全部×つけろと宣伝してたじゃないですか。判決内容に踏み込んで、×つけるのとつけないのとメリハリつけた方が影響力ありそうな気もするのですけど、ともかく全部×しろと。そっちは全部×なのになんで日銀は何も見ずに賛成なのか。金融政策の重大さをどう考えているのか。まったく。
それで頭にきて書いたわけです。
そのうち月日がたつとトップページから消しますので、ここにコピーペーストしておきますね。
日銀審議委員人事の件ですが、社共も賛成している。
わからないことは、とりあえず反対しろ!!
日銀人事には階級性がないと思ってるのだろうか。何のためにいるのか…全く。
それにしても、就任早速の白井さんのこの発言ですが。国債の日銀引き受けに反対する理由が、「通貨の信認が失われ、長期金利が急上昇すれば取り返しがつかないことになる」という理屈。すみません、意味がわからないのですけど。インフレを織り込んで名目金利が上がるだけなら、実質金利は下がるはず。インフレで将来税収の名目額も増えて借金返しやすくなるし、民間でも借金が目減りするので設備投資とかが興って景気がよくなるはず。
「取り返しがつかないこと」って、名目金利の上昇がインフレを上回って、実質金利が上がるという意味にしか取れないのですが。国債の日銀引き受けをしたら、実質金利が上がるって、いったいどんな経済学で考えているんだろう。さっぱりわかりません。誰かバカな私に説明して下さい。(追記:そうか、国債価格が下落したときの銀行の損を心配しているのかも。でも、実質利子率が上昇しなければ、その損は、一定の満期額の物価上昇による目減りを、前とせいぜい同じ割引で現在価値化した分にすぎない。) (11年4月3日)
みんなの党だけは反対してました。くやしいが誉めてやる。えらい!さすがだっ。
さあ、この人がこれからボクたちをビシビシ責めぬいて下さる白井さゆり様だ。(日銀ホームページより)
…やっぱり責められたくない。
上に取り上げた白井さんの発言、ボクなんかも提唱している主張への反対論です。つまり、復興国債を日銀に引き受けさせて無から円を作って政府の復興資金にしようという主張への反対論。その理由が「長期金利が急上昇する」ってことで、いったいどんな経済理論を使えばこんなことが出てくるのかって、ホントわからなくて書いたものです。
ところが世の中にはこんなこと言っている人がそれなりにいるようでびっくりです。だからちょっと補足しておきますね。
国債市場の需給式を考えてみて下さい。国債供給の増加は政府による国債発行分です。国債需要の増加は日銀による国債引き受け分です。両者は同じ額ですので、右辺と左辺が同じだけ増加して、結局式には何の影響もありません。
これだけの話です。中学生でもわかる。
これで政府支出がなされて人々の所得が増大すれば、まずは、それで増えた貯蓄の一部を債券で持とうとするので、債券需要が増えてかえって利子率は下がるはずです。
大量の国債を出すと国債の信任がゆらぐとか思われているらしいのですけど、そんなことはありません。この場合の復興債は日銀が引き受けるもの。民間とは関係ありません。返す期限がきてもまた借り換えればいいわけだし、何なら最初から返還無期限にしてもいい。返さなくても損する人は誰もいないから、国債持っている民間人が心配することは何もありません。政府が日銀に利子を払う必要があるかもしれませんが、日銀のもうけは国庫納付金になって戻ってきますので、結局払わなくていいのといっしょです。
もちろんインフレにはなるでしょう。
しかし、悪性のインフレは、供給能力が足りないときに起こるもの。雇う人手が尽きてきてから心配するべきことです。今みたいに大量の失業が出て、デフレになっているときには、悪性のインフレにはなりません。少々のインフレになることは景気がよくなるために必要なことです。
たしかに、将来のインフレが見込まれたならば、その分を織り込んで名目利子率が上がるということはあります。
実際、真島さんが4月4日のブログ記事「復興国債の日銀引き受け」で作ってくださっているグラフを見ればわかるように、国債の乗換のための日銀引き受けが増える(03年から05年)と、名目利子率は上がり、減る(06年から08年)と下がる傾向があるようにも見えます。
しかし、物価連動国債の利回りを見たら、下記のとおり、それとは逆の動きになっています。国債乗換の日銀引き受けが増えた時期には下がり、減っている時期には上がっています。
物価連動国債の利回りは、将来の物価上昇の影響を除いた実質利子率にあたります。要するに、国債引き受けの増大で名目利子率が上がっているように見えるのは、ただ人々が将来の物価上昇を織り込んだためであって、実質利子率が上がっているわけではなかった。むしろはっきりと下がっていたわけです。
現代のリフレ論が主張しているのは、将来のインフレを人々に予想してもらうことによって、実質利子率を下げ、そのことで設備投資需要や住宅建設需要や耐久消費財需要などを引き起こそうとするものです。国債の日銀引き受けによって名目利子率が上昇したならば、それはこのもくろみどおりにことが進んでいるということを意味します。「量的緩和しても物価上がらなかったじゃないか」というリフレ論批判がありましたけど、現実の物価がすぐに上がらなかったとしても、人々の予想インフレが上がればいいわけで、実際以前一度まさにその通りになったというわけです。
そして実質利子率が下がるということは、名目利子率の上昇よりもインフレの上昇の方が高いということ。ということは、名目的な利払いの増加額よりも、名目的な税収の増加額の方が上回るので、政府は民間に対しても借金を返しやすくなります。
しかも、この国債の乗換のための日銀引き受けが増えた時期は、国債の長期利回りという意味での名目利子率は上昇傾向に見えるかもしれませんが、企業が銀行からおカネを借りるときの長期名目利子率は低下していっていました。ここの「貸出約定平均金利」っての(長期)を見ると、02年に1.634%だったのが、03年、04年、05年はそれぞれ、1.622%、1.584%、1.420%と低下し続けました。企業の設備投資需要などに影響するのはこっちですので、やはりそれ自体は何も困ったことはなかったわけです。
それに対して、国債の乗換のための日銀引き受けが減っている時期は、06年、07年それぞれ、1.573%、1.730%と上昇しています。
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ところで、前回、前々回のエッセーと取り上げた、中学3年生のアイドル、藤波心さんは、その後もブレずに筋を通した反原発エントリーを出し続けています。
3万年後の未来生物父娘
東京ー!!(*^_^*)
そしたら、やっぱり粘着していろいろえらそーな非難中傷をコメントする奴らがいっぱいいて、おじさんは読んでてつらくなるよ。きっと、ネットに何書いても世間に影響力を持てない自意識過剰なやつが、見下すべきと思っている存在に活躍されて、嫉妬に狂ってるんだと思うな。どうか気にしないで。
そういえば、かつて同様の攻撃にさらされながら我が道を貫いていたタレントに、インリン様という偉大なご存在がおわしましましたのだった...らしい(伝聞)。
インリン様ご声明(直立!) 下の方にご勇姿画像あり。
現在インリン様は、放射能からも慎太郎からも遠く離れた国でまったり子育てに没頭あそばされており、こんなほのぼのブログを書いておられます。大いによろしいですよインリン様。今の幸せを守りきることは、全人類に通じる普遍性がございますぞ。
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