松尾匡のページ11年5月9日 「ベテラン」は小さくなるのみ(笑)
とうとう一連の連休期間が終わってしまった...。やっぱり本業の研究は手つかずに終わり、収穫は論文二本と書評用の本に目を通せたぐらいかな。選挙会計の仕事は優秀なおばちゃんたちがほとんどやってくれて、半日の作業につきあうだけで終わってよかってのですけど。
一日ひたすら寝る日を作れたのが最大の成果かな。
このあと、連休前うっかり大学に置き忘れてしまったレフェリー用論文の審査とか、書評執筆とか、雑誌の「編集後記」とか、市議会議員の後援会の機関紙編集とか、選挙総括のとりまとめとか、今週末の研究会のための久々の数理モデル構築とか、5月中にやらなければならないことが目白押しで、少々戦慄気味です。
7日晩、市議会議員の後援会の会議から帰ってきて、これからなすべき諸々のことを反芻しながら入浴し、もういいかげん夜がふけてから台所の片付けにかかったところで...
カミさんから携帯電話!
飲みに出ていて知り合った町内のおじさんが、選挙手伝ってくれた人で、ボクといっしょに飲みたがっているから出てこいとのこと。
え〜っ、連休のわずかの残りのうちに少しは進めておきたい仕事がいっぱいあるのに。
でもしかたないから、台所片付けてから、近所のバーにでかけていきました。そしたら、そこにいた町内のおじさん二人が、翌日の町内のウォーキング大会の関係者で、参加するように誘われてしまいました。ああ、いくらやることがあっても断れないワタシ。
結局帰ったら日付越えていて、ヘベレケのカミさん寝かしつけたあとでやっと就寝。
翌朝カミさんは案の定起きることができず、仕方ないのでボク一人でウォーキング大会に出かけました。
実はこの日の午後は、福岡で反原発デモがあるのだ。だから、午前中ウォーキング大会に出ると一日中歩きづめになるのですけど。
ま、でも、おかげで、選挙にご協力いただいたたくさんの人に会えてご挨拶できて、参加してよかったです。終わったあとでもらえた手作りカレーもおいしかったし。
それで、午後からは、その反原発デモだ。
5・8福岡サウンドデモ
当日の様子
同じ市議会議員を応援してくれている某市民団体が、久留米の団体ではめずらしく今回のデモの主催団体に名を連ねているんですけど、実はもともとこれが決まる前から、同じ日に別のイベントを企画していたのです。
中国共産党政権による人権抑圧を告発する内実のイベント!
詳しく書くと関係者が中国に入国できなくなるかもしれませんから言いませんけど。
このイベントがあるために、反原発集会に出そうな久留米の人々はあらかたそっちの方に行ってしまって出られない。仕方ないから、選挙運動での知り合いの人がこの団体を一人で代表してデモに出るから、ついてはいっしょに参加しろとのことだったわけです。
ボクも反中国共産党イベント行きたかったんですけどね。とりあえずチケット買って絶賛協力しておいて、やっぱりそれでも反原発集会行かなくっちゃ。
結局久留米の知り合いの参加者は、その人とおつれあいと、社民党のおじさんと、環境系元市議会議員のおばさんだけ。と思ったら、件の団体のメンバーで、もうひとつのイベントの方に行っているはずのたこやき屋のおねーちゃんが、なぜかここで太鼓をたたいていたことをあとで発見。デモに出たくて我慢ができなかったらしい。太鼓は昔いたアフリカで仕込まれたのかと思ったら、久留米の「えーるピア」で習ったとのこと。
まあ参加者は圧倒的に若い世代で、仮装して、楽器、CDにぎやかにならす「歌って踊って」デモですな。楽しくていいんじゃないですか。
進行役のおにーちゃん、最初が母子連れのグループで、次が楽器で...等々と順番を割り振り、「ベテランの先輩方」のグループは最後尾で「うねるようなシュプレヒコール」を期待するとのこと。
[拙訳]
「こんな今時のスタイルについて来られないロートロのおっさんたちは、一番後ろで昔ながらのシュプレヒコールでもあげていな。」
ボクよりはるかにベテランのはずの環境系元久留米市議会議員のおばはん(これだけ書けば誰かは特定可能)は、臆面もなく「歌ったり踊ったり」のグループの中に混じっていった。
選挙の知り合いの人とボクは「ボクらはベテランになるんでしょうね」とつぶやいて最後尾についたんですけど、
「ベテラン」なんてほとんどいないじゃない。上の写真に写っているのが唯一の赤旗。
そういえば、前任校の同僚のおつれあいが子連れでいらしてて、西南大を退職されている吾郷先生から言われて参加したとおっしゃって、母子連れの隊列に向かっていったけど...。だとしたら吾郷大先生いらっしゃっているのか。と思ったけどどこにも見当たりません。先生こそ「ベテラン」と呼ばれてここにおられるにふさわしいのに。
吾郷先生の場合、ひょっとしたら、とんでもない仮装をして「歌ったり踊ったり」に加わってないとも限りませんぞ。誰か止めて下さい。
歩き出したら、参加のビキニ美女がビラを配っている。おねーちゃん、こっち向いてー。おじさんにもビラちょうだ〜い!
必死にテレパシー送ったんですが、振り向いてもらえなかった。周りから怪しく思われないように視線を外してたのが敗因だろう。
道に出たんですけど、あんまり「ベテラン」少人数なので、シュプレヒコールなんてあげられるような空気じゃないよ。
♪I can't stop the loneliness
♪どうしてなの
♪シュプレヒコールが
♪あ・が・ら・なーいー!
結局労組のおじさん(それこそ歴戦のつわものの大ベテラン)が途中、耐えかねたようにシュプレヒコールをリードしたのですが、ほとんど唱和する人もなく、10分ばかりで終わってしまった(笑)。
2時間ぐらい歩いたかなあ。若い皆さんは元気です。おじさんはくたびれた。
写真は、デモが終わって公園で集会しているところ。
主催者発表1200人。もっとも、途中、「在特会」(笑)が妨害しにきたとき、デモ参加者にまぎれこんでいた公安さんたちがバーっと集結して在特会を取り囲んで壁を作ったとのこと。公安さんたちで人数がふくれていたのかも。まあ、それでも見た所千人ぐらいはいたように思いますけど。
在特会は五、六人ぐらいだったと聞いて、なんだそんなものかと言っていましたが、よく考えたらほとんど同じような勢力の我が「ベテラン部隊」。
OΓ乙
思ったんですけどね、「新左翼」「旧左翼」って言葉がありますけど、「新左翼」って、1960年になるちょっと前頃から出現した急進派を指す言葉で、「旧左翼」というのは、それに対してもっと前からあった社会党や共産党のことを言います。もう今となってはどちらも古くて、意味のない分け方になってますね。
そういうわけで、我々おじさん世代のことを指す言葉として、「旧左翼」って言葉が使えないわけですから、この際、
「古左翼」
ってのはどうでしょうか。
「古伊万里」とか「古九谷」とかみたいで、由緒ありそうに聞こえませんか。
ボクらバブル世代ぐらいまでは「中古左翼」。もっと上の先輩方は「大古左翼」。
え? いやだ。じゃあ、「上古左翼」ってのは? 一応敬う気持ちを込めたつもり。
さて、家に帰って一服してたら、カミさんの携帯に後援会副会長のM翁から呼び出しの電話が。夫婦と息子で近所の寿司屋に出かけ、人生話をうかがってきました。結局、連休最終日、本の一ページも読まずに終わった一日でした(笑)。
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