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16年3月14日 今年三冊目は『これからのマルクス経済学入門』



 本日、今年三冊目の出版、『これからのマルクス経済学入門』が筑摩書房から出ます。今度は、同僚の橋本貴彦准教授との共著です。
 もともとは、「社会経済学初級α」というマルクス経済学の入門講義を二人でクラス分けして担当しているので、その教科書を出そうという企画でした。ところが、序文が長くなっていくのと、私が他の出版企画や組合の役員やその他諸々抱えてもたもたするのとで、とても一つの教科書体系まるまるを期限内に本にする余裕はなくなってしまいました。
 そこで、私が書く予定だった序文部分を膨らませ、本文の橋本准教授が書く予定の実証部分を一章に縮めて、なんとか一冊の本に仕上げました。
 もともと教科書の序文に予定していた内容ですから、これからの時代にマルクス経済学を学ぶ意義がどこにあるのか、主流派経済学のカバーできていない固有の領域はどこにあるのか、基礎概念をどう組み替えればこれから通用する意義があるのかを問いかけるものになっています。あまりマルクス解釈学には力点を置いていません。

これからのマルクス経済学入門
松尾 匡、橋本 貴彦 著
これからのマルクス経済学
筑摩選書   四六判   240頁  刊行 03/14  ISBN  9784480016362
本体 1,500 円+税

 去年は、組合の副委員長が回ってきた上に、今年になって出版された三冊の執筆で死にそうな思いをしました。
 先日やっとこの本が校了して、これで楽になると思ったのですが……いやはや、やっぱり楽になりませんねえ。1月にあんなバリバリ政治的時論がらみの本を書いた以上、覚悟はしていましたけど。
 まあ、問題意識を共有できる人との出会いがどんどん増えて、とてもありがたいし、エキサイティングではあります。
 でもやっぱり何もやることのない日が二、三日は欲しい。先日、ホントにひさしぶりに何もすることのない週末ができたのですが、何もすることがなかったのは一日だけで、やっぱり人と会う用件ができました。そのおかげでとっても希望を感じて、とても楽しかったのですけどね。メールからも、ネットの評判からも隔絶された環境で数日すごしたいと願っています。
 組合がらみの会議やイベントもあいかわらず引きずっていて…。早く研究室の片付けもしないといけないし。学術論文読めるのはいつになることか。


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