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10年12月24日 なぜストレスで胃が不調になるのか



 前々回のエッセー前回のエッセーでは、ツィッターや「はてなブックマーク」(前々回分)(前回分)が悪評で炎上! まだ目を通してない人は見てみて下さい。まあ、ファシスト跳梁跋扈するネット界で闘ってくれているんだから、みんなこのくらいの戦闘性があってこそ頼もしいですね。
 しかし、もともと物議をかもす話題だったところにもってきて、出だしでひどいミスをしてしまい、言いたいことをえらそうに議論できない身になって、ひたすら叩かれるしかなかったです。
 ミスの解説をしておくと、「最終解決」というのは、ナチスのユダヤ人絶滅プロジェクトのタイトルが「ユダヤ人問題の最終解決」だったので、戦争犯罪関連の問題で使うのはシャレにならない言葉だったわけです。特に、読み方によっては、挑発のためにわざと使ったと誤解されかねないので。
 重ね重ね、無思慮をおわびいたします。

 なんか最近こんな、うまくいかないことが続きます。ざっと以下のような感じ。


テレビ初出演・実は支離滅裂だった事件

 12月1日のエッセーでお知らせした、CS朝日のテレビ出演の件、自分の家には衛星放送もケーブルもないので見られなかったのですが、放送が終わって、先日局からDVDが送られてきました。
 それを見てみたら、のっけからしょっちゅう唇なめて、最後まで「あのー」「えーと」ばかりで、何言ってるか支離滅裂なの。ツイッターでもそんな批評されてたし…。
 OΓ乙


通勤途中で荷物置き忘れ事件

 こないだ21日に立命館に朝出勤するとき、久留米から博多まで乗った鹿児島本線の特急「有明」の荷物棚に、リュックを置き忘れてしまいました。
 これが、着替えやノートパソコンなどが入っていたのですが、ノートパソコンには個人情報がいろいろ入っているかもしれない!
 新幹線に乗ってから忘れたのに気づいて、慌てて車掌さんに問い合わせたのですが(この車掌さんの居場所をつきとめるにも一苦労)、「有明」はまだ走っている最中で、確認はとれないとのこと。

 9時半に博多駅の忘れ物預かり所に電話しろということなので、9時半になるのをじりじり待って電話したが誰も出ず、ちょっと間を置いたらもう今度は話し中だ!
 ちょうどそのときは停車駅だったのですが、そうこうしているうちにすぐにトンネルばかりになって電話ができなくなります。山陽新幹線ですので。
 次の停車駅を待ってかけたら、やっとつながった。
 車掌さんの話が行っていたので、終着駅でそれらしい荷物があったということはわかりましたが、中身がちゃんとあるかどうかはわからないとのこと。夕方6時半以降届くので、届いたら連絡すると言ってくださいました。

 それでその一日は、万一ノートパソコンがなくなっていた場合、個人情報問題についてどこに報告してどう対処するべきかということをいろいろ考えて、授業以外は上の空で過ごしました。
 6時半を過ぎて、しびれを切らして電話しても誰も出ず…。
 ようやく7時もだいぶ過ぎてから電話があって、中身を確かめてもらうよう頼んで、やっと無事を確認。

 その後木曜日(23日祝日なのに授業あり)の夜、帰宅途中で受け取って帰ったのでした。


子供の成績のことで呼び出されて忘れて遅刻事件

 高校生の子供の成績があんまり悪いんで、先生から呼び出されていたのですが、その時間になったらすっかり忘れていて、時間がすぎてから気づいてあわててタクシーでかけつけました。
 父親がこんな心構えだから、子供が勉強しないのも当然ですな。
 その後、数学の再試験用の特訓をしたのですが、当人は再試験のとき高熱を出してろくにできないで早退。23日祝日は一日寝ていたそうです。


 その他、ゼミでゼミナール大会に出場したけど、準備が整わないグループが続出して、ほとんど学級崩壊状態になったりして…。

 本当は、マル経の学会の雑誌の編集委員の仕事しないといけないのですけど。
 これって、数理マル経の委員がほかにいないので、レフェリーに数学できる人がいない論文の数式チェックが、担当じゃないのにまわってくるし、自分の担当は、投稿者の数式もレフェリーの数式も一応チェックしないといけないし、思ったより大変。いろいろ片付けて、残っている一つが結構難物で、出てくる「グレブナー基底」って何か知らないから勉強しようと思ったら難しすぎて挫折!
 ま、授業も終わったし、やっと少しは腰を落ち着けて検討できるな。

 こんな感じでストレスいっぱいの数日を過ごしてきたもので、一時はほんとに食欲がなくなっちゃった。

 そしたら考えたんですよ。
 ストレスを受けたら胃が不調になるのは動物にも共通する本能です。でも、これってなぜなのでしょう。こんなことになったら生存の上で不利になるはずなのに、どうしてこんな性質が進化したのでしょうか。

 考えてみて、思いついた結論。
 まだ、記憶も学習能力もない動物のとき。ストレスって何で感じるかって言ったら、仲間どうしの食物をめぐるケンカに負けたときじゃないかと思ったんです。
 そのとき、食欲が続いたら、何度でも再挑戦することになります。そんな個体は傷を負って生存に不利になっちゃいます。
 そこで、胃を不調にして食欲をなくすことによって、あきらめさせる効果があったのではないかと。そういう性質をもった個体が、そうではない個体と比べて生きのびやすかったのではないかと思ったわけです。

 うーむ。こんなことを考えるのも、今、負け犬根性になっているからだろうか。
 健康診断結果が、コレステロール値が高い等々ということなので、日を見つけて再検査にいかなければならないのだけど、食が細くなってちょうどよかったかもしれない。もともと肥満でもないし酒飲みでもないんだけど。
 そういえば、さっき、職場の保健センターからメールが届いて、胸部レントゲンにつき説明したいことがあるとのこと。とても気になるけど、指定された曜日だと行けるのは11日になっちゃうな。


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