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著書  


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 『ケインズの逆襲、ハイエクの慧眼』へジャンプ
 『日本経済は復活するか』へジャンプ
 『市民参加のまちづくり』[グローカル編]へジャンプ
 『TPPと日米関係』へジャンプ
 『資本主義の限界と社会主義』へシャンプ
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『経済学的手法の現在――久留米大学経済学部創設記念論文集』

                                        共著: 木下 悦二編
                                       出版:九州大 学出版会
                                       サイズ:A5 判 / 362p
                                       ISBN:4 -87378-406-9
                                       発行年月: 1995.3
                                       本体価格: \4,500

 久留米大学経済学部創設(1994年4月)記念事業の一環としての教師陣による論文集。計16編を収録。

 担当:第章 「福祉国家の終焉と経済統合のゲーム分析」

 西欧北欧の社会主義政権がこぞって福祉国家政策を後退させている現象を、最も単純な二国ゲームモデルを使って説明した。資本移 動がある程度より容易でなければ、両国労働者にとってパレート最適な重福祉政策がナッシュ均衡になるが、資本移動がある程度より容易になると、両国労働者 にとってパレート最適ではない過少な福祉政策がナッシュ均衡になる。(研究内容4)
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『ソ連の「社会主義」とは何だったのか』

       共著:大谷禎之介、大西広、山口正之編
       出版:大月書店
       サイズ:四六判 / 282p
        ISBN:4-272-17011-2
       発行年月:1996.2
       本体価格: \2,900

 ソ連の社会システムは社会主義や共産主義ではなく、「国家資本主義」という特殊なタイプの資本主義システムであったとする論者 8人の共著。立場の違いは様々にあるが、(1)ロシア革命を労農階級によるブルジョワ革命だったとする点、(2)スターリン体制成立を国家資本家階級 (ノーメンクラツーラ階級)による奪権とする点、(3)スターリン体制を資本の本源的蓄積を強行するための体制とする点、(4)自由化と体制崩壊を本源的 蓄積の課題完了にともなう本来の資本主義への移行とみなす点において共通している。
はしがき

第I部 ソ連の「社会主義」とは何であったか

 第1章 「現存社会主義」は社会主義か 大谷禎之介
 第2章 ソヴィエト経済体制の性格規定とスターリン体制現出の諸要因 叶秋男
 第3章 ソヴィエト経済は社会主義計画経済であったか 谷江幸雄
 
第II部 戦前・戦後のソヴィエト国家資本主義論

 第4章 マルクス経済学史としての「社会主義」論 小澤光利
 第5章 戦後日本における国家資本主義論 田口弥一

第III部 唯物史観と社会主義

 第6章 労働の社会化とソヴィエト国家資本主義 山口正之
 第7章 開発独裁の必要と私的唯物論 大西広
 第8章 ソ連=国家資本主義論と唯物史観 松尾匡

資料1 ソヴィエト連邦はプロレタリア国家か、それとも資本主義国家か? R・L・ウォロル(大谷禎之介訳)
資料2 ソヴィエト社会主義共和国連邦は資本主義社会である ラーヤ・ドゥナイェフスカヤ(松尾匡訳)


 担当:
 第8章「ソ連=国家資本主義論と唯物史観」

 ソ連=国家資本主義論に対する従来の社会主義運動の側からの批判と相対主義の側からの批判を検討し、従来のソ連=国家資本主義 論の限界を乗り越えることを図る。すなわち、従来の社会主義運動が客観法則としての唯物史観と労働者解放の正義観を素朴に混在させていたのに対して、ソ連 =国家資本主義論は客観法則としての唯物史観に純化する傾向がある。他方、相対主義的市民運動の側は、逆に客観法則としての唯物史観を批判して被抑圧者解 放の正義観に純化する傾向がある。私はここで、進化論的発想に立つことにより、客観法則としての唯物史観と被抑圧者解放の正義観を再総合することを示唆し た。(「私の主張3」「私の主張8」)
 資料2翻訳

 批 評1 批評2
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『セイ法則体系――マルクス理論の性格とその現代経済学体系への位置づけ』
                                       (久留米大学 経済叢書 2)
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       単著
       出版:九州大学出版会
       サイズ:A5判 / 200p
       ISBN:4-87378-487-5
       発行年月:1996.5
       本体価格: \3,200

 マルクスが整合的に展開できた経済理論体系が数理モデル上「セイ法則体系」であることを明らかにし、それがマルクスも最終的に 構築を目指したであろう経済学の全体系のなかでは、長期体系として位置付けられることを示した。
「研究内容3」

序文

第I部 価値と長期均衡

 第1章 『賃金・価格・利潤』とセイ法則
  補章 交差・双対調整過程の運動 「誤りと訂正」
 第2章 長期均衡と価値生産性問題

第II部 蓄積と長期均衡

 第3章 拡大再生産表式について
 第4章 均衡蓄積軌道論
  補章 技術選択を考慮した二部門均衡蓄積再論

第III部 長期均衡の位置づけ

 第5章 マルクス、マーシャル、置塩の短期理論と長期理論
 第6章 一般均衡分析によるセイ法則体系の位置づけ

総括と課題

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『標準マクロ経済学――ミクロ的基礎・伸縮価格・市場均衡論で学ぶ』 ミス訂正


       単著
       出版:中央経済社
       サイズ:A5判 / 204p
       ISBN:4-502-63875-7
       発行年月:1999.11
       本体価格: \2,900
 

 今日の学術レベルでは、ミクロ的基礎、伸縮価格、市場均衡論に基づいてマクロ経済理論を説くのが常識になっている。ところが入 門レベルの教科書では、学術レベルではもはやどの学派からも顧みられない旧来のアメリカ・ケインジアンの理論が説明されているのが普通で、学術レベルの議 論との間のギャップが耐えられない大きさにまでなっている。
 筆者のこの教科書は、ミクロ的基礎、伸縮価格、市場均衡論という今日の学術レベルの方法に徹底して則った単一のモデルに基づき、首尾一貫してマクロ経済 学体系を解説したものである。これは、微積分の使えない私立文系学部の全くの初心者を対象としたものとしては、おそらくはじめての試みであろう。数学は四 則演算レベルで最小限に抑え、二次元図を使って解説している。しかも、従来教科書で扱われてきた「45度線分析」「IS-LM分析」など、不完全雇用を伴 うケインズ理論体系が、全く矛盾なく説明されるのである。
 索引にはやさしくわかる解説をつけ、簡単な用語集として使えるようにした。
序 経済理論の鳥瞰図

第1部 短期・部分均衡分析

 第1章 集計財市場の均衡

第2部 主体の最適化理論A

 第2章 消費決定と消費関数
 第3章 生産と雇用の決定

第3部 短期・一般均衡分析

 第4章 財、債券、貨幣の一般均衡
 第5章 物価と貨幣賃金率の決定理論

第4部 主体の最適化理論B

 第6章 最適投資決定と投資関数
 第7章 最適資産選択と貨幣需要関数

これからの学習に向けて
付録 ミクロ経済学の「二消費財の最適選択理論」
索引

 紹介1 紹介2 言及
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『近代の復権――マルクスの近代観から見た現代資本主義とアソシエーション』

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       単著
       出版:晃洋書房
       サイズ:A5判 / 264p
       ISBN:4-7710-1227-X
       発行年月:2001.2
       本体価格: \3,500

 のっけから「新自由主義は歴史の進歩」などと書いてケンカを売っているが、もちろん筆者は新自由主義者でもブレア主義者でもな い。本書ではマルクスの全体系を疎外論の統一的図式から読み解いている。つまり、権力や市場や因習のように、全体的なことが個々人の外に遊離して逆に個々 人を支配・抑圧すること、これが「疎外」で、マルクスはこれを無くし、全体的なことが個々人の合意に服す自由社会(アソシエーション)を目指したわけであ る。このためには個々人が合意可能なよう普遍化せねばならず、これをもたらしたのが近代資本主義の発展である。全人類に共通する単純均質全能なプロレタリ アートこそそれである。…このようにマルクスを解釈すると、マルクス以後の世界史が、一見左翼的常識をくつがえすように見えてくる。重工業化後の20世紀 は個々人が特殊化された、近代からの逆行の時代であって、彼の展望は成り立たなくなっていた。しかしグローバル化・IT化を進める現代資本主義こそが、再 び世界の普遍化をもたらしマルクスの展望を復活させる…とこのように見ることができる。しかも本書では、19世紀の単純労働者化という「喪失による普遍 化」ではなく、我々の主体的取り組みによっては、もっと高次元の「獲得による普遍化」が可能である、それが労働運動の世界的連帯や各種協同組合、NPO、 NGO等のネットワークで創られていくものだ、と論じている。最終章では、これらのネットワークで活動する人々が組織や運動の変質を避けて新しい社会を 創っていくために必要なエートスが、唯物史観を進化論的に再解釈することで与えられるのではないかということを論じている。
 百年の封印を解いて今マルクスが蘇る。(「私の主張」「研究内容1」「研究内容2」)
はしがき
序章

第1編 マルクスの近代観

 第1章 近代の本質とその資本制的形態──マルクスは近代のどこを肯定したのか
 第2章 共産社会二段階区分論の再検討──マルクスの消費観との関連で

第2編 マルクスの近代観再生の時代

 第4章 民族自決はなぜ善だったのか
 第5章 最近の日本のアソシエーション論について
 第6章 プロレタリアートの倫理と社会主義の精神──進化論的唯物史観の運動論上の意義

 批 評 
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『はるかさんとラピート君の 入門 今どきの経済――国家から市場へ、そして…』

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       単著
       出版:晃洋書房
       サイズ:B5判 / 182p
       ISBN:4-7710-1271-7
       発行年月:2001.5
       本体価格: \2,400

 本書では、「国家から市場へ」「身内集団原理から開かれた交換社会の原理へ」という経済の流れについて、日本や世界に起ってい る様々な現実の経済現象を見ながら確認していきます。お話は、みなさんが日常生活のなかで直面するであろう疑問を皮切りにして、はるかさんとラピート君と いう関西在住の二人に、吉本漫才風の掛け合いで進めてもらいます。ここに、今までの日本のやり方を守りたい今間出羽光也郎おじさんや、データ検索ロボット のデータ・アイも加わり、議論をかわす中から、現在世の中で起っていることの意味を浮き彫りにしていきます。
 楽しい本文に懇切ていねいな用語解説の欄外註をつけ、ちょっとでも読みにくそうな漢字にはルビをふり、イラストもいれて、ごくごく初心者でも寝転がって 読めるよう心掛けました。その一方、膨大な具体的事例をあげ、データの図表、文献、ホームページなどを豊富に紹介し、マニアにも満足いただけるよう工夫し ました。なるべく見開き片側に本文、片側に資料という配置にして、通読しやすくしました。
 最後の章では、各種協同組合や労働者自主管理企業、NPO、NGO、市民参加型まちづくり、国際共闘型労働運動などの実例を数多く紹介し、「身内集団原 理から開かれた交換社会の原理へ」という現代の流れにそった新しいオルタナティブを提案しています。
 『近代の復権』の抽象的理論を具体的に説明したものと言えます。(「私の主 張」)
この本の登場人物
はじめに
この本の読み方

第1講 あなたは就職できるか──日本型雇用慣行とその崩壊
第2講 「会社」とは何だったのか──ケイレツと会社本位主義の崩壊
第3講 鉄のトライアングルは崩れるか──規制緩和と価格破壊
第4講 高齢化で低福祉はどう変わる
第5講 欧米経済新時代──自由化・国際統合の光と影
第6講 アジア・中南米経済の発展と動揺
第7講 グローバル化する世界
第8講 IT革命のひらくもの
第9講 国家独占資本主義の成立と解体
第10講 国家でも市場でもなくその中間でもなく

あとがき

 批評 批評
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『ポスト戦後体制への政治経済学』


       共著:碓井 敏正、大西 広編
       出版:大月書店
       サイズ:四六判 / 236p
       ISBN:4-272-21070-X
       発行年月:2001.5
       本体価格: \2,500

 新世紀日本社会の可能性を解明する経済のグローバル化、市場経済化の進展とともに新自由主義にもとづく体制転換が様々な矛盾を はらみながら展開している。本書は、政治・経済・社会の各分野における変容の現状を多面的に分析する中で、この転換の積極面を受け継ぎつつ、革新的な立場 からオルタナティブな体制転換の可能性を追求する。
第1部 [総論]体制転換の政治経済学

 第1章 体制転換の政治経済学・・・大西広
    第2章 日本型「官=業」体制の政治経済学・・・高橋肇
    第3章 「能力主義」社会の規範哲学序説・・・碓井敏正

第2部 [各論]戦後社会システムの変容

    第4章 日本型政党システムの変容と転換・・・高橋肇
    第5章 日本型企業主義の変容と転換・・・大西広
    第6章 日本型福祉国家の変容と転換・・・神谷章生
    第7章 日本型ジェンダー構造の変容と転換・・・石田好江
    第8章 日本型戦後教育体制の変容と転換・・・碓井敏正

補論1 自由主義的再編への抵抗の本質・・・松尾匡
補論2 “NPO主義”の問題点と方向性・・・大西広

 担当:
 補論1「自由主義的再編への抵抗の本質」
 現在世界中で保守主義・民族主義が吹き荒れているが、これはグローバルな市場資本主義のもたらす自由主義的転換への、反発であ ると解釈できる。実は戦前のファシズムも資本主義に対する同様の反発がもたらしたものだったのであり、それが日本を戦争へとかりたてていった元凶であっ た。今日の日本は、グローバルな市場資本主義によって旧来の集団主義的秩序が壊され、それに適合していた内面の倫理・価値観まで、開放的個人主義的なもの に転換することを迫られている。これに対して、旧来の倫理・価値観に基づくアイデンティティーを防衛しようとする意識が、今日の保守派民族主義の隆盛をも たらしているのである。それゆえ左翼が資本主義憎さのあまりこうした反発に安易に加担することは戦前の二の舞いにつながるのであり、むしろ左翼は来るべき 開放的個人主義的価値観が自分に適合的であることを自覚するべきである。と論じる。
 批評
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 『21世紀の経済社会を構想する──政治経済学の視点から』


       共著:森岡 孝二、杉浦 克己、八木紀一郎編
       出版:桜井書店
       サイズ:四六判 / 273p
       ISBN:4-921190-09-7
       発行年月:2001.5
       本体価格: \2,200

当面する社会経済システム改革の個別課題から新しい経済社会のグランド・デザインの提示、20世紀資本主義社会の回顧、そして 21世紀の経済学の課題を展望したものまで、政治経済学者23名による発言集。

 
まえがきにかえて

1 世紀を越える資本主義

    資本主義の逆流と社会主義の新たな可能性 伊藤 誠(國學院大学教授・東京大学名誉教授)
    混迷深める21世紀資本主義         井村喜代子(慶応大学名誉教授)
    21世紀の構造変化と調整様式――成長経済を越えるために 宇仁宏幸(京都大学教授)
    21世紀のアジアと欧・米          柴垣和夫(武蔵大学教授・東京大学名誉教授)
    21世紀の資本主義            鶴田満彦(中央大学教授)
   IT革命が予示する21世紀の資本主義像
                        ――グローバル・ネットワークの形成と労働の変 容  野口 真(専修大学教授)

2 新しい経済社会の可能性

    多元的な組織と制度による資本主義への対抗 柴田コ太郎(東京大学教授)
    自由・平等・連帯の経済社会        富沢賢治(聖学院大学教授・一橋大学名誉教授)
    持続可能な日本づくりのアジェンダの提案  藤岡 惇(立命館大学教授)
    20世紀から21世紀へ            八木紀一郎(京都大学教授)
    アセスメント制度の充実で、ワン・テーマ・エコノミーの克服を 山口義行(立教大学教授)
    多元的経済社会の可能性          若森章孝(関西大学教授)

3 改革の焦点と課題

    リカレント教育の確立を――教育と労働の交替性の回復のために  伊藤正純(桃山学院大学教 授)
     21世紀の企業像を考える          奥村宏(前中央大学教授)
     緑の社会主義               長島誠一(東京経済大学教授)
     2014年とのチャット            松尾匡(久留米大学助教授)
     男女平等は時短革命とパート革命から    森岡孝二(関西大学教授)
     21世紀を「環境の世紀」に          吉田文和(北海道大学教授)

4 政治経済学の再生に向けて

     労働の構想力               有井行夫(駒澤大学教授)
     21世紀の社会経済システムは不平等なものとなるか? 植村博恭(名古屋大学教授)
     残る概念・捨てる概念           金子 勝(慶応大学教授)
     市場・国家・社会――来べき経済社会と経済学  杉浦克己(帝京大学教授・東京大学名誉教授)
     21世紀の経済学              米田康彦(中央大学教授)

 担当:「2014年とのチャット」
 2014年の自分とコンピュータでチャットをしたというSFショートショートの形式で、近未来に起こりうる悲劇を示した。これ からの対決軸は、グローバリズム・規制緩和推進の側と、反グローバリズム・規制復活の民族主義陣営とを両極として構成されるようになる。この際、左派勢力 が、反米、反企業の姿勢に共感して民族主義側に加担してそれが功を奏すると、日本はなしくずしにファシズムに向かう。という警告。
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『市民参加のまちづくり――NPO・市民・自治体の取り組みから』


       著者:西川 芳昭、松尾 匡、伊佐淳編著
       出版:創成社
       サイズ:A5判 / 230p
       ISBN:4-7944-2125-7
       発行年月:2001.10
       本体価格: \1,900

 住民自らの手で問題を解決するために何を行うべきなのか? NPO・市民・自治体の取り組み事例から、市民の参加と連携をつく りあげていく際の原則や問題点、そして市民参加型まちづくりの時代における行政のあり方を探る。2000年度久留米大学経済学部公開講義「市民参加のまち づくり」に講師として来ていただいた各地のまちづくり実践家の方々と、編者である私達久留米大学経済学部助教授三名、講義主任教授などが、それぞれの持つ 経験・情報を活かして書き上げた。

 
序章 市民参加のまちづくり 松尾匡
第1章 NPOとまちづくり──筑後川流域圏における地域連携活動の事例から 西島博樹、西川芳昭
第2章 アクティブ・シニア時代のまちづくり 吉永美佐子
第3章 NPOによるまちづくり──米国サンフランシスコの事例から 伊佐淳
第4章 スコットランドナショナルトラストによる地域管理と市民参加 西川芳昭
第5章 ガーディアン・エンジェルスの犯罪防止活動とコミュニティづくり 小田啓二
第6章 グラウンドワークと参加型地域開発 金谷尚知
第7章 ゆふいんとまちづくり 小林華弥子
第8章 長浜のまちづくりと景観形成 吉井茂人
第9章 地域文化活動への参加と連携 下瀬美彬
第10章 感覚特性を活かしたまちづくり 佐藤快信
第11章 人を育てる──金沢市民芸術村の取り組み 細川紀彦
第12章 みんなでつくる観光と文化──周縁の宝もの 池田順一
第13章 イベント・コンベンションの経済波及効果の正しい推計法 松尾匡 「訂 正」
第14章 まちづくりを支援する文化行財政 森正直
あとがき 新しい「参加」へ向けて 西川芳昭
 担当:
 序章
 第13章「イベント・コンベンションの経済波及効果の正しい推計法」
 自治体などが発表しているイベントやコンベンションの経済波及効果推計は、実にいいかげんなものがまかり通っている。ここで は、可能な限り正確にその波及効果を推計する方法について、長崎県のコンベンション経済波及効果推計のケースを実例にとって、買い物の商業マージンと原価 への案分法、平均卸売り段階数の算出など、筆者の開発したノウハウを紹介する。
 第8章と第11章の、まとめ・注

  
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『経済学(新しい教養のすすめ)』


           著者:三土修 平、大西 広編
           出版:昭和堂
           サイズ:B6 判 / 180p
           ISBN:4 -8122-0213-2
           発行年月: 2002.4

 
   経済学のはじまりから経済学の発展、マルクス、ケインズの経済学、さらにはゲーム理論の可能性まで、教養として身に つけておきたい経済学をわかりやすく解説する。
第1章 経済学のはじまり  三土修平
第2章 経済学の発展   三土修平
第3章 マルクスの経済学  大西広
第4章 ケインズの経済学  松尾匡
第5章 純化する近代経済学  宮崎憲治
第6章 駆け引きの場としての経済―ゲーム理論の可能性  藤山英樹
第7章 これからの経済学   三土修平 、大西広
 担当:
 第3章「ケインズの経済学」
 新古典派は「右」でケインズ派は「左」という常識は間違っている。そう主張する立場から、1930年代のケインズ理論の登場 や、80年代の各種新古典派によるケインズ派批判をわかりやすく解説し、従来のケインズ派の実質右翼的な問題点を明らかにする。その上で、今日の日本など で登場している新しいケインズ理論をわかりやすく紹介する。この新しいケインズ理論は、ケインズの流動性選好説に基づき、伸縮価格や合理的選択といった従 来「新古典派的」とされた枠組みのもとでも、「流動性のわな」を典型とする不況や失業が生じることを示すものである。したがってそれは、80年代以来の新 古典派による批判点をすべてクリアし、従来のケインズ派の実質右翼的問題点を脱却している。


 昭 和堂 bk1 amazon yahoo!ブックスショッピ ング
 
 
 
 

『市民参加のまちづくり【事例編】──NPO・市民・自治体の取 り組みから』

 
       著者:西川 芳昭、伊佐 淳、松尾匡編著
       出版社名 : 創成社
       ISBN:4-7944-2191-5
       発行年月 : 2005年02月
       価格  : 2,100円(税込)
 

 福祉・環境・にぎわいの振興等を、協同組合、NPO・NGO、市民自主管理型行政などによって担う、新しい市民参加のまちづく りの実例紹介。久留米大学経済学部公開講義「市民参加のまちづくり」(実例編)に講師として来ていただいた各地のまちづくり実践家の方々の執筆章を中心 に、各地の代表事例をわかりやすく説明した。
 上掲の初版にひきつづき、地元久留米のタウンモビリティや筑後川連携倶楽部、全国に有名な湯布院、長浜、金沢市民芸術村、ガーディアン・エンジェルスな どの事例を収録したほか、新たに、伊万里はちがめプラン、九州大学環境創造舎、グリーンコープの民衆交易や福祉ワーカーズコレクティブ事業、地域通貨など を紹介する諸章を付け加えた。
 

まえがき 松尾 匡

第I部 まちづくりにおけるNPOとその他の組織
 第1章 ネットワークを創り出すNPOの役割
         ──筑後川流域圏における地域連携活動の事例から 西島博樹・西川 芳昭
 第2章 学生の手で創るキャンパス・環境・未来
       ──九州大学学内NPO環境創造舎の挑戦 佐藤 剛史
 第3章 生ごみを宝に
       ──恵みの豊かな伊万里の環境を未来の子どもたちへ 福田俊明
 第4章 NPOによるまちづくり
       ──米国サンフランシスコの事例から 伊佐 淳
 第5章 スコットランドナショナルトラストによる地域管理と市民参加 西川芳昭

第II部 市民・住民の想いとまちづくりへの参加
 第6章 アクティブシニア時代のまちづくり 吉永 美佐子
 第7章 ゆふいんとまちづくり 小林 華弥子
 第8章 長浜のまちづくりと景観形成 吉井茂人
 第9章 市民が地域の文化活動へ参加するには
       ──九州国立博物館とサザンクス筑後の事例から 下瀬 美彬

第III部 誰もが参加できる仕組みづくりへ
 第10章 ガーディアン・エンジェルスの犯罪防止活動とコミュニティづくり 小田啓二
 第11章 人を育てる──金沢市民芸術村の取り組み 細川紀彦
 第12章 「地域通貨」から「補完通貨」へ
       ──持続可能な地域経済のための通貨システム
 第13章 世界を知り、地域に生き、地域を創る
       ──グリーンコープのネグロスの取り組みとワーカーズ運動 北岡美賛
 第14章 私にとってのNPOとまちづくり
       ──自分らしく、地域に生きるNPO活動 神谷 典江

あとがき 西川 芳昭


担当:
 まえがき。第11章と第13章の、まとめ・注。
 

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『市民参加のまちづくり【戦略編】──参加とリーダーシップ・自 立とパートナーシップ』

画像をクリックするとプレビューできます。

       著者:松尾 匡、西川 芳昭、伊佐淳編著
       出版社名 : 創成社
       ISBN:4-7944-2190-7
       発行年月 : 2005年01月
       価格  : 2,100円(税込)
 

 市民参加とリーダーシップのあり方はどうあるべきか。市民事業やまちづくりと、それを取り巻く企業・行政等との関係はどうある べきか。久留米大学経済学部公開講義「市民参加のまちづくり」(理論編)に講師として来ていただいた各種の専門家と、編者である久留米大学経済学部教授三 名がこの課題に取り組み、解決のヒントを提起する。
 

第1章 長浜・湯布院のまちづくりの転換
      ──シンポジウム収録  松尾 匡

第I部 市民事業やまちづくりのリーダーシップと市民参加
 第2章 市民参加のまちづくり
      ──参加、参画、主導  佐藤 快信
 第3章 総合型地域スポーツクラブ構想と市民参加型まちづくりの可能性 中西 純司
 第4章 学生のつくる価値観と住民参加による持続的発展へのプロセス
      ──静岡県東部から地球型社会へのアプローチ  金谷 尚知
 第5章 市民の心を動かすワークショップ  吉野 あかね
 第6章 参加型開発の理念・手法とその課題  西川 芳昭

第II部 市民事業と他セクターとの関係
 第7章 市民事業の失敗例に学ぶ  今村 勲
 第8章 企業,NPO,CB
      ──民間組織による地域づくりの視点 伊佐 淳
 第9章 市民事業と助成財団の役割  川野 祐二著
 第10章 市民社会の中での行政の新たな役割
      ──イギリスのベストバリュー体制下における自治体と市民社会 武久顕也
 第11章 歴史的町並みを観光資源としたまちづくり  大森 洋子

結 章 アソシエーション的発展と脱アソシエーション的変質 (ミ スタイプ訂正)
      ──既存三社会システムとの関係の中で  松尾 匡

担当:
 第1章「長浜・湯布院のまちづくりの転換──シンポジウム収録」
 まちづくりの成功事例として全国に知られる長浜市と湯布院町。しかし近年ともに、住民や古くからのファンにとって生活・訪問し づらいまちになったのではないかとの反省が語られた。そこで私たちは2003年、まちづくりのあり方の転換について、長浜と湯布院のまちづくり当事者をお 呼びしてシンポジウムを行った。その話の内容をまとめ、私の考察を加えたもの。
 まちづくりには、リーダー主導で市場利用的なAタイプと、関係当事者の合意に基づく地道な日常的活動のBタイプとがある。長浜も湯布院もこれまでの発展 期はAタイプ中心で成功してきたが、現在そのマイナス面が行き過ぎるようになったので、Bタイプ中心のまちづくりへの転換が必要になっている。しかし、こ れまでの発展期においても、表に出るAタイプ的側面を支えるBタイプ的側面が裏に存在し、相互調和的に発展を支えてきた。転換とは、このBタイプ的側面が 表に出るだけのことである。一方でBタイプは閉鎖集団化を起こす危険があるので、それを防ぐためにAタイプ的側面はこれからも必要になる。
 結章「アソシエーション的発展と脱アソシエーション的変質──既存三社会システムとの関係の中で」 (ミスタイプ訂正)
 市民事業が変質してしまうケースがよく見られる。なぜこのようなことが起こるのか。市民事業や市民参加型まちづくりが目指すの は、開放的かつ合意的な「アソシエーション」の社会関係だが、これは現実にはまだマイナーで、開放的だが疎外的な「市場」、合意的だが閉鎖的な「ゲマイン シャフト」、閉鎖的で疎外的な「ヒエラルキー」の既存三システムや、それぞれを代表する、営利事業体、旧共同体、政治機関の既存三アクターを利用して実現 していかなければならない。この利用の組み合わせがうまくいくと、アソシエーション的発展が推進されるが、うまくいかないと、既存三システム・三アクター の論理にひきつけられて脱アソシエーション的変質を起こす。この様々な可能性を統一的図式で整理し、変質を避ける発展のあり方を探る。


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『比較ジェンダー論──ジェンダー学への多角的アプローチ』

保坂恵美子編著
出版社名 :ミネルヴァ書房
 ISBN:4-623-04133-6
発行年月 : 2005-04-25
価格  : 税込 3150円

ジェンダーという概念から現代社会を見た場合、政治・経済・社会・文化の枠組みの中では、はたしてどのような問題や課題が生じて いるのか。本書では、社会学・法学・経済学そして歴史・文化という多様な領域から、ジェンダー学に多角的アプローチを試みる。

序 現代社会とジェンダー問題…………………保坂恵美子
 I 社会からみたジェンダー
1 少子高齢社会からみたジェンダー…………保坂恵美子
2 ジェンダーと子育て………………………佐々木美智子
3 男性学のゆくえ…………………………………多賀 太
 II 法からみたジェンダー
4 法律学とジェンダー……………………………松嶋道夫
5 家族法とジェンダー……………………………松嶋道夫
6 離婚紛争とジェンダー…………………………小谷朋弘
 III 経済からみたジェンダー
7 ジェンダーと経済学の限界…………………大矢野栄次
8 賃労働・家事労働とジェンダー………………松尾 匡
 IV 歴史・文化からみたジェンダー
9 バングラデシュ農村部におけるジェンダー意識の変容
    ……………………………………………日下部達哉
10 イスラームにおける女性の地位………………古賀幸久
11 歴史のなかのジェンダー………………………富永桂子
あとがき/索引

担当:第8章「賃労働・家事労働とジェンダー」
 「男は外、女は内」という性役割分業が成立していた根拠を、簡単なゲーム理論(2×2利得表)を使って説明し、現代資本主義の 発展がこの根拠を崩していることを示す。主に経済学的手法に慣れない人文系読者を念頭に、方法論的個人主義に基づくゲーム理論によって、何ら合理的根拠の ない外見で人口を二分した分業が、均衡として個々人を制約することが説明できることを示す。
 書 評
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『マルクスの使いみち』

稲葉振一郎、松尾匡、吉原直毅
定価 : 1,800円+ 税
出版:太田出版
サイズ:四六判 / 272p
ISBN:4-7783-1010-1
発行年月:2006.03
 

稲葉さん、吉原さんとの鼎談という企画。第1部は経済学の方法論の擁護がテーマだと理解していて、本当に鼎談がなされたのはこの 部分だけ。三人の話はいろいろ飛んだのですが、このテーマとあまり関係がない箇所は削りました。第2部は搾取がテーマで、稲葉さんと私の対談に、あとから 吉原さんから書き加えてもらったけど、目下の吉原さんと私の論争をめぐっては、お互い どんどんと書き加えて原稿が膨らみ、結局そのへんは全面削除になりました。第3部は社会主義論がテーマですが、私は全く加わってなく、原稿に手を加えても いません。持論にこだわるエネルギーはほとんど削除された部分に注いだので、残っている所は同意しない内容の議論も多いのですが、そのままにしています。 言いたいことはあとがきに集約しました。
エッセー「『マルクスの使いみち』の読まれ方にショック」


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『市民参加のまちづくり【英国編】──イギリスに学ぶ地域再生と パートナーシップ』

       著者:浅見良露、西川 芳昭編著
       出版社名 : 創成社
       ISBN:4-7944-2238-5
       発行年月 : 2006年05月
       価格  : 1,800円+税
 

英国と日本を比較し、まちづくりにおけるショップモビリティの意義や、地域再生における住民組織の役割を考察する。2000 年英国まちづくり視察旅行タウンモビリティ関連の視察・招聘事業についても掲載していま す。
まえがき 浅見良露

第1章 市民参加による地域づくり──英国から何を学ぶか 西川芳昭・松尾匡・伊佐淳・浅見良露

第I部 ショップモビリティの現状と方向性
第2章 英国におけるショッピングセンター
    ──ロンドン、ウルヴァーハンプトン、マンチェスターの事例 浅見良露
第3章 ウルヴァーハンプトン市ショップモビリティ事業の取り組み リンダハーディ・松尾匡
第4章 英国から久留米市が学んだこと 吉永美佐子
第5章 タウンモビリティの経済的意義 松尾匡

第II部 地域再生における市民参加
第6章 離島の振興からみる地方自治と地域資源管理の課題 佐藤快信
第7章 市民と政府・地域と都市を結ぶナショナルトラストのマネジメント 西川芳昭
第8章 社会的企業に対する中間支援組織──グラスゴーワークスとCBC 伊佐淳
第9章 英国・アイルランドにおける地域資源管理への市民参加 西川芳昭

あとがき 西川芳昭


担当:第5章「タウンモビリティの経済的意義」

 郊外店規制緩和論の長期構造論的意義と、規制による商店街保護の短期需要論的意義を確認し、双方を批判的に止揚したオルタナ ティブとしてタウンモビリティを位置付け、その長期構造論的意義と短期需要論的意義を示す。特に、後者については、産業連関分析による久留米タウンモビリ ティの経済波及効果分析を掲げた。


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『市民参加のまちづくり』[事例編][戦略編]韓国語訳

 

ハヌルブックス社
http://www.hanulbooks.co.kr/tot_book/content.asp?pBID=2922
http://www.hanulbooks.co.kr/tot_book/content.asp?pBID=2953
 
 

『市民参加のまちづくり』[コミュニティ・ビジネス編]

  著者:伊佐淳、松尾匡、西川芳昭編著
  出版社 : 創成社
  サイズ : A5判 / 247p
  ISBN : 4-7944-2243-1
  発行年月 : 2007.1
  税込価格 : \2,310 (本体 : \2,200)

継続的に地域課題の解決に取り組む一形態としてのコミュニティ・ビジネスが注目されている。その役割、課題、将来の展望を多角的 に検討する。フェアトレード、ソシアルキャピタル、企業の社会的責任、商人道倫理などの論考を含む。
紹介記事 (金森康氏のブログ)

担当:
 第9章「市民事業の経済倫理としての商人道」

 よく、NPO、協同組合などの市民事業では、市場競争に追われて営利だけに走る変質に陥らないように、高い倫理性を持ったミッ ションを掲げることが大事だとされる。しかし、現実にはしばしば、営利事業化を戒める高いミッションを掲げた事業が、かえってそのために、人権蹂躙や不祥 事などの甚だしい腐敗に陥るケースが見られる。これは、ミッションに掲げる倫理が間違っていたためである。身内第一の共同体的倫理を掲げ、そのための手段 たる汚れ仕事として市場取り引きを位置付けるならば、必ず腐敗に向かう力学が働く。掲げるべきなのは、他人への誠実を旨とし、市場取り引きそれ自体を善行 とみなす倫理である。これは日本でも江戸時代から、石田梅岩の心学思想や、近江商人の商業倫理に見られたものであり、後者は長浜のまちづくりに直接つな がっている。


 あとがき「「市民参加のまちづくり」シリーズの完結にあたって」

 学生時代からの自分の歩みをふりかえって、理論経済学を専攻することを選んだ自分が、なぜこのような領域にかかわるようになっ たのかを述べた。


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『市民参加のまちづくり』[コミュニティ・ビジネス編]韓国語 訳

 

ハヌルブックス社
http://www.hanulbooks.co.kr/tot_book/content.asp?pBID=3064
 
 

『経済政策形成の研究──既得観念と経済学の相克』


 

著者:野口旭(編)、浜田宏一、若田部昌澄、中村宗悦、田中秀臣、浅田統一郎、松尾匡
出版社:ナカニシヤ出版
税込定価:3675円
A5判 336頁
ISBN:978-4-7795-0196-8
適切な政策の実現を阻むものは何か。
「良いデフレ論」「構造改革主義」「金本位心性」……。「反経済学」的発想にもとづく誤った政策が繰り返し支持され,実現されるのはなぜか。適切な政策を 実現するためには何が必要なのか。それを阻むのは何か。経済政策形成における「観念」の重要性に着目し,そのメカニズムを理論的,歴史実証的に解明。適切 な政策実現のための、実証的・実践的「経済政策学」の確立を目指す。
序 章 経済政策はどう実現するのか―――――――――――――野口 旭
第T部 経済政策の経済学
第1章 経済政策における既得権益と既得観念―――――――――野口 旭・浜田宏一
第2章 経済政策における知識の役割:思想,政策,成果――――若田部昌澄
第U部 歴史からの照射
第3章 松方財政期における幣制改革論:金本位制と清算主義的政策思想――中村宗悦
第4章 デフレをめぐる既得観念と経済政策:昭和恐慌と平成大停滞の経験から――野口 旭・浜田宏一
第5章 笠信太郎と三木清:構造改革主義の一起源―――――――田中秀臣
第6章 平成デフレをめぐる政策論議:インサイダーの視点から――浜田宏一
第V部 経済学における「共通の知見」をめぐって
第7章 デフレ不況と経済政策:実践的マクロ経済学としてのケインズ経済学の立場から―――浅田統一郎
第8章 「経済学的発想」と「反経済学的発想」の政策論:マルクス経済学から――松尾 匡
担当:第8章「「経済学的発想」と「反経済学的発想」の政策論:マルクス経済学から」
 経済論議の根本的な対立は、「経済は自律運動し、取り引きはみんなのトク」と見る「経済学的発想」と、「世の中は力の強さに応 じて操作可能で、トクの裏にはソンがある」と見る「反経済学的発想」の違いからくる。これは市場に肯定的か批判的かとは関係ない区分である。「構造改革」 主義者は市場肯定、デューリング流左翼は市場批判であるが、共に「反経済学的発想」である。それに対して、古典派以来の経済学の王道は、市場批判的なマル クスも含めて、「経済学的発想」に立つ。この立場からのマルクス的政策論は、短期的には個々のアクターがその力に応じて自己の特殊利益のために政策をコン トロールするが、長期的にはそれらが相殺しあって自律的無意識的に総資本の意思が反映すると見るものである。したがって、ときには資本家でない者の力で総 資本の意思を反映した政策が実現できたりもする。このような見方から、「経済学的発想」に立ったマルクス主義的経済政策を提起する。

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『格差社会から成熟社会へ』


 

著者:碓井敏正、大西広、高橋肇、神谷章生、浅見和彦、松尾匡
出版者:大月書店
本体価格:2,500円
出版社: 大月書店
サイズ : 20cm / 219p
ISBN : 978-4-272-21096-1
発行年月 : 2007.9
格差社会への対抗戦略論をいかに構想するか
グローバリゼーションを背景に進められている日本社会の新自由的再編は、従来の国民国家的な国家像を変え、貧困層の拡大・格差社会化という新しい矛盾を生 み出している。これに対して、社会変革をめざす対抗戦略は何を基本とすべきか。本書は「成熟社会」をキーワードとして、その理論的諸問題を考察する。
第1章 成熟社会への戦略 (碓井敏正)
第2章 成熟社会における市民政治 (高橋肇)
第3章 成熟社会の歴史的位置 (大西広)
第4章 成熟社会における社会福祉システムの課題 (神谷章生)
第5章 成熟社会における地方自治 (神谷章生)
第6章 成熟社会における企業 (大西広)
第7章 成熟社会と労働組合の再活性化の可能性 (浅見和彦)
第8章 成熟社会におけるマクロ経済学 (松尾匡)
担当:第8章「成熟社会におけるマクロ経済学」
 共著者達の前著では、これまでの戦後国家介入体制が崩れて自由主義的転換が始まって いる現実をふまえ、それが矛盾と悲惨を伴いながらも、必然的な進歩の一面を持っていることを指摘した。その続編にあたる本書では、この自由主義的転換がす でに進行した現実をふまえ、そのもたらした格差社会等の新たな矛盾を乗り越えるために、この転換の積極面を引き継いで次のステップに進むべきことを主張し て、新たなオルタナティブを提起する。
 私の章では、マクロ経済政策においては、この図式がどのようにとらえられるのかを論じている。すなわち、かつての戦後国家介入体制を理論づけてきたのが 従来のケインジアンの経済学で、自由主義的転換を理論づけてきたのが現代の新古典派経済学である。従来のケインジアンの経済学は、現実にあわなくなった欠 陥を持っていた。現代の新古典派はその点を批判して、それを乗り越える方法論を打ち出して優位に立ったから、学界を制覇して現実の政策転換をもたらし得 た。しかし、それは現実に引き起こされた失業や貧困、格差の問題について、有効な解決を出せない。それに対して今、現代の新しいケインズ理論が登場してい る。それは、従来のケインジアンの欠陥を乗り越えて新古典派が打ち出した方法論的立場をすべて丸のみにした上で、新古典派が説明できなかった不況や失業を 説明し、それらを解決するための政策を打ち出せるようになっている。このような立場から、新時代のあるべきマクロ経済政策を打ち出している。
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『「はだかの王様」の経済学──現代人のための マルクス再入門』


 

著者:松尾 匡
出版社:東洋経済新報社
ISBN:978-4-492-37105-3
判型:四六判(天地19cm左右13cm)、ハードカバー
    本文タテ組み、xxii+290ページ
定価:本体価格1900円+税

 マルクスの思想は、じつは今日の日本でも十分に「使える」ものだった。その思想の中心的な概念である「疎外」とは何か。日常的な例を用い て、平易に解説する。

オビ文
 空気なんか読むな!
 勇気を出して叫べ!
 王様は はだか だ!
 荘子から現代ゲーム論までを貫くマルクス疎外論の社会図式

目次
第1章 「はだかの王様」で世の中を見ると
第2章 おカネはどうして通用するのか
第3章 「疎外」ということ―「はだかの王様」の哲学
第4章 資本主義経済の仕組みを疎外論で説く―価値・価格・搾取
第5章 資本主義経済の仕組みを疎外論で説く―資本の蓄積
第6章 ゲームに理論よる「はだかの王様」型制度分析
第7章 制度の変化のゲーム理論分析
第8章 疎外なき社会を求めて―今できることとできないこと


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『商人道ノスヽメ』


  著者: 松尾匡
  出版社: 藤原書店
  四六上製 288ページ
  ISBN-13: 9784894346932
  刊行日: 2009/6
  定価:本体価格2400円+税

    目次
    はじめに 
    第1部 社会関係の二大原理とそれぞれの倫理
    第一章 身内集団原理と開放個人主義原理──その合理性
     1 身内集団原理の倫理観と開放個人主義原理の倫理観
     2 二大原理はなぜ現れた──リスクの「排除」か「管理」か
     3 なぜ損しても他人の足をひっぱるか
     補論──荒井一博による山岸批判について
    第二章 裏目に出る身内集団の道徳
    第2部 江戸時代の商人道
    第三章 石田梅岩の商人道
     1 背 景──封建制下の市場経済の発展と既存道徳との矛盾
     2 開放個人主義倫理としての石田梅岩の商人道
     3 武士階級との共存と妥協
    第四章 近江商人の商人道
     1 近江商人の活躍
     2 近江商人道の源流としての浄土真宗
     3 近江商人の商業倫理
     補論──長浜のまちづくりと近江真宗の商人道
    第五章 明治維新以前の開放個人主義倫理の伝統
     1 開放個人主義倫理としての江戸商人道
     2 もともと存在した開放個人主義原理の精神史
     補論──江戸期商人道の一源流としての鈴木正三思想
    第3部 「大義名分−逸脱手段」のシステムの落とし穴
    第六章 「大義名分−逸脱手段」図式──身内集団倫理と市場取引の一両立方法
     1 近代日本の特質としての「大義名分−逸脱手段」図式
     2 「大義名分−逸脱手段」図式の発想の一典型例──小林よしのりの場合
    第七章 「大義名分−逸脱手段」図式の破綻──手段の暴走と中心目的による引っ張り返し
     1 「大義名分」達成後の「手段」の暴走──大正から昭和初期
     2 「大義名分」による引っ張り返し──ファシズム運動から戦争へ
     3 身内集団倫理神聖化の暴走と逸脱陰湿化との相互促進
     4 戦後も同じことを繰り返す
    第4部 生きている商人道の精神
    第八章 維新後と戦後の商人道の精神
     1 維新後残った商人の価値観
     2 平和主義と経済建設──戦後の開放個人主義倫理
    第九章 反撃せよ商人道

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『対話でわかる痛快明解 経済学史』

松尾匡 著
A5
320ページ
 価格    :    1,680円(税込み)
ISBN    :    978-4-8222-4764-5
発行元    :    日経BP社
発行日    :    2009/08/31

まえがきに代えて
―本書の登場人物達の紹介―

古典派の時代
第1章 アダム・スミス
自由な市場はみんなを豊かにするのだ

第2章 リカード
この世に無用な人間なんていない

第3章 マルクス
搾取は弱肉強食社会の悪意の産物などではない

新古典派の時代
第4章 ジェボンズ、メンガー、ワルラス
“限界革命トリオ”が新時代をもたらした

第5章 マーシャル
「短期」と「長期」で限界革命以前と以後を総合できる

ケインジアンの時代
第6章 ケインズ
人はなにも買いたくなくても、貨幣自体を持ちたがる 訂正

第7章 ヒックスからサミュエルソンへ
硬直価格のマクロ教科書体系はどこで始まったか?

新しい古典派の時代
第8章 フリードマンと反ケインズ革命
政府による愚かな介入が経済をダメにする

終 章 そして、経済学の現在へ 

参考文献について

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『不況は人災です!──みんな で元気になる経済学・入門』
補足資料・訂正のブログ
『不況は人災です』表紙

松尾匡 著
四六判
219ページ
 価格    :    1,680円(税込み)
ISBN    :    978-4-480-86403-1
発行元    :    筑摩書房
発行日    :    2010/07/07

いつクビになるかと不安な人々、就職難にあえぐ若者たち……。デフレ不況で元気をなく した平成ニッポン。どうすればいい? 世界標準の新理論で、処方箋を提示する。

(少し長い)はじめに
第1章 よーく考えよう、景気は大事だよ
第2章 二つの経済成長って?
第3章 先の景気「回復」の原因とは?
第4章 再び不況に転落した理由
第5章 新しいケインズ理論の登場!
第6章 金融緩和は誰の味方?
第7章 デフレ不況を克服する!
おわりに

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『未来社会を展望する──甦るマルクス』
未来社会を展望する

著者     基礎経済科学研究所 編
ISBN     9784272111152
出版年月日     2010/09/21
本体価格     本体2,800円+税

マルクスが資本主義の根本批判を通じて展望した未来社会像(自由人の連合)を21世紀未来 社会論として展開する。
目次
はじめに

第1部 未来社会と人間発達
第1章 アソーシエイトした諸個人の生成と発達・・・・・大谷禎之介
第2章 未来社会の条件としての普遍的人間の形成・・・・・松尾 匡
第3章 世界市場のなかでの人間の発達・・・・・神山義治

第2部 未来社会と非営利協同セクター
第4章 マルクスと生産協同組合・・・・・小松善雄・増田和夫・荒木一彰
第5章 未来社会と人間発達のための民間非営利組織・・・・・富沢賢治
第6章 企業形態論からみた協同組合と株式会社・・・・・的場信樹
第7章 中国における自主連合労働経済制度の実験・・・・・李 炳炎

第3部 未来社会と株式会社
第8章 マルクス株式会社論における人間性の陶冶・・・・・有井行夫
第9章 市場をつうじた社会主義と「株式会社」の役割・・・・・芦田文夫
第10章 未来社会論における株式会社の現状と可能性・・・・・高田好章

終章 「能力に応じて働く」原理実現のための「共産主義的人間」の問題について・・・・・大西 広

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『図解雑学マルクス経済学』
ナツメ社正誤情報のページ
サイト内訂正情報
『図解雑学マル経』表紙

松尾匡 著
サイズ:B6・224頁
ISBNコード:978-4-8163-4960-7
定価:1,470円(税込)

予備知識ゼロからのマルクス経済学の入門書です。「社会主義」、「マルクス主義」など の基本的なキーワードをとりあげて解説すると共に、わかりやすく図解。人間社会共通の目的とは何か? なぜ今、マルクス主義が注目されているのか? 答え はこの本の中です。

第1章 なぜいまさらマルクスなのか?
第2章 マルクスの社会分析の基本図式
第3章 「ヒトとヒトとの依存関係」として社会をとらえる
第4章 資本主義経済における搾取と蓄積
第5章 資本主義経済の歴史ー搾取と蓄積のあり方の変遷
第6章 「モノとモノとの関係」という「見かけ」の現れ方
第7章 資本循環と利潤率という現れ方
第8章 本書と「資本論」の記述の異同
第9章 マルクス経済学の今後の課題

ナ ツメ社 
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『新しい左翼入門──相克の運 動史は超えられるか』
訂正情報
新しい左翼入門

松尾匡 著
発行年月日:2012/07/20
サイズ:新書判
ページ数:260
シリーズ通巻番号:2167
ISBN:978-4-06-288167-8
定価(税込):840円

第一部 「二つの道」の相克史 戦前編
 第一章 キリスト教社会主義対アナルコ・サンジカリズム――明治期
 第二章 アナ・ボル抗争――大正期
 第三章 日本共産党結成と福本・山川論争――大正から昭和へ
 第四章 日本資本主義論争――昭和軍国主義時代
 第五章 戦前における「下から」の事業的変革路線
第二部 「二つの道」の相克史 戦後編
 第六章 共産党対社会党左派・総評
 第七章 ソ連・北朝鮮体制評価の行き違い軌跡
 第八章 戦後近代主義対文化相対主義――丸山眞男と竹内好
第三部 「二つの道」の相克を乗り越える
 第九章 市民の自主的事業の拡大という社会変革路線
 第十章 「個人」はどのように作られ、世の中を変えるのか

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『資本主義の限界と社会主義』
資本主義の限界と社会主義

社会主義理論学会編 
A5判並製 
240ページ 
定価 2800円+税
時潮社刊

社会主義理論学会の四冊目の論文集

はじめに 西川伸一
第1部 資本主義の行き詰まり
第1章 鎌倉孝夫「体制」変革の理論と実践
第2章 森本高央 証券化資本主義の破綻が招くドル基軸通貨体制の終焉
第3章 瀬戸岡紘 近代社会と市民にかんする一一般理論序説
一新しい社会主義像を構想する手がかりをもとめて

第2部 中国の経験を振り返る
第4章 大西 広 毛沢東、文化革命と文化の次元 
第5章 瀬戸 宏 戦後日本の中国研究
−−日本現代中国学会を中心に

第3部 社会主義の新たな可能性
第6章 田上孝一 マルクス疎外論の射程
一新たな社会主義構想のためにー 
第7章 山崎耕一郎 労農派社会主義の原点と現在
−−山川均論を中心に−−
第8章 紅林 進 ベーシックインカムと資本主義、社会主義
第9章 松尾 匡 リスクと決定から社会主義を語る

おわりに 田上孝一
入会の呼びかけ・会則・論文集既刊・研究会の歩み・執筆者略歴

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『TPPと日米関係』
TPP本

出版社 晃洋書房 
編者 田中祐二 内山昭 
価格    2,100円(本体2,000円+税)
発行年月    2012年09月
判型    A5
ISBN    9784771023635


本の内容(出版社提供)

 TPPをめぐる議論は、「はじめに参加ありき」のものや、特定分野の利害を過度に強 調した反対論が多い。本書は、いま一度データを見直し、経済の理論と客観的な分析に裏付けられた説明を試みる。リカードの比較生産費説から見たTPPに対 する賛否両論の誤謬、ケインズの自由貿易と保護主義への態度、アメリカの貿易交渉の進め方やISD条項の問題点をやさしく解説する。TPP問題が日米の政 治的な駆け引きとして利用される現状を諫め、真の国益にかない、環太平洋や東アジアの諸国と相互互恵となる経済連携への方向を示す。

目次

第1章 TPP推進論の「根拠」を問う
第2章 貿易上の利益とTPP論議
第3章 ケインズは経済的国際主義をどのようにみたのか
第4章 TPPに関する試算の方法論的問題点
第5章 TPPと農業・食糧
第6章 TPPと医療・医薬品―医療アクセスの公平性をめぐって
第7章 金融サービス分野におけるTPP交渉から見えてくるもの
第8章 TPPと労働・雇用
第9章 TPP推進論に見られる危うい安全保障観
第10章 グローバル企業の投資保護と公共利益との対立―ISD(投資家対国家の紛争解決)をめぐって


 第2章担当。
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『市民参加のま ちづくり・グローカル編──コミュニティへの自由』
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  著者:伊佐淳、西川芳昭、松尾匡編著
  出版社 : 創成社
  サイズ : A5判 / 253p
  ISBN : 978-4-7944-2409-9
  発行年月 : 2013.3
  税込価格 : 本体2,400円

日本を健康な状態にするには、制度改革と市民の積極的な参加が必要。地域の事情に即した方 法を市民が主体的に取り組むことで、はじめて課題が解決する。それに資するようコミュニティを問い直し、国内外の豊富な事例を示す。【「TRCMARC」 の商品解説】

担当:
「はじめに」

第1章「コミュニティからの変革の政治哲学的基礎付け──リベラル風コミュニタリアンの蹉跌を超えて」

 コミュニティからの変革路線は、異質者の排除につながる危険がある。これを、この路線を 基礎づけたコミュニタリアン哲学に立ち返って検証し、開放的なコミュニティの創造のあり方を探る。

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『日本経済は復 活するか』
日本経済は復活するか

田中秀臣 編
出版社:藤原書店
四六並製 344ページ
ISBN-13: 9784894349421
刊行日: 2013/10
定価: 2,940円

消費税増税で日本経済はどうなる? 緊急出版!
「金融政策」「財政政策」「成長戦略」の「三本の矢」で構成される安倍内閣の経済政策(=アベノミクス)。脱デフレ効果が現れ始めた矢先の消費税増税は、 いったい何をもたらすのか? 日本経済の不安定化の見通しと、それに対する必須の対策までを盛り込んだ、増税決定後、緊急刊行の必読論集! (藤 原書店サイトより)

担当:第2部1の6番目の章。「本来左派側の政策のはずだったのに」

アベノミクス第1の矢「大胆な金融政策」とそれに支えられた財政拡大政策は、欧米では 左派・労働側の主張である。日本で左派・リベラル側が雇用拡大政策に背を向けたまま、安倍首相が救国のカリスマとなる危険に警鐘を鳴らす。

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ケインズの逆襲、ハ イエクの慧眼──巨人たちは経済政策の混迷を解く鍵をすでに知っていた
訂正情報
ケインズの逆襲ハイエクの慧眼

出版社:PHP研究所
刊行日:2014年11月14日
判 型:新書判並製
880円+税
ISBN 978-4-569-82137-5

目次
 第1章 30年続いた、経済政策の大誤解

 第2章 ソ連型システム崩壊が教えてくれること

 第3章 一般的ルールか、さじ加減の判断か

 第4章 反ケインズ派のマクロ経済学者たちの革命

 第5章 ゲーム理論による制度分析と「予想」

 第6章 なぜベーシックインカムは左右を問わず賛否両論なのか

 第7章 失業とたたかう「ケインズ復権」と「インフレ目標政策」

 第8章 「新スウェーデンモデル」に見る、あるべき福祉の姿

 終章 未来へ希望をつなぐ政策とは


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シノドス書評


経済の教科書(洋泉社 MOOK)
洋泉社ムック

出版年月日     2015/05/07
ISBN     9784800306180
判型・ページ数     B5・112ページ
定価     本体1,200円+税

目次

◆特別授業 若田部昌澄先生に聞く
「経済成長はこれからも可能ですか?」
「資本主義は格差を拡大させるものなのですか?」

◆「今」がわかる経済学10講 講師・飯田泰之先生
第1講 アベノミクスで本当に日本経済は復調しますか?
第2講 日本経済にとってTPPはプラスに働くのでしょうか?
第3講 人口減少は日本の経済にとって不利になりますか?
第4講 日本の財政が破綻する危険性は本当にあるのですか?
第5講 労働の規制緩和は本当に経済成長につながりますか?
第6講 ユーロ圏に見られる欧州金融危機はなぜ起きたのですか?
第7講 エネルギー資源はなぜ国の経済を左右するのですか?
第8講 ビッグデータはビジネスの何を変えますか?
第9講 アーキテクチャは経済でどのように活用できますか?
第10講 イノベーションはどのような環境で生まれますか?

◆経済学の考え方がわかる「経済学史講座」 講師・松尾匡先生
1)ミクロ経済学・マクロ経済学は何を考えるものなのか?
2)「経済学」を切り拓いた古典派経済学とは何か?
3)マルクス経済学の強みは「総労働配分」からの把握
4)新古典派経済学は資本主義礼賛論か?
5)ケインズは新古典派を批判し、政府による需要拡大を主張した
6)新しい古典派は「小さな政府」を主張した
7)新しいケインズ派はリフレ派の主張を生んだ
8)ゲーム理論とは何を説明するものなのか?
9)行動経済学などはどんなときに役立つのか?

◆経済ニュースがわかるようになる基礎用語

洋泉社の紹介ページ(一部読めま す) アマゾン Honya Club 楽天ブックス セ ブンネットショッピング


この経済政策が民主 主義を救う──安倍政権に勝てる対案
訂正情報
この経済政策が民主主義を救う

出版社:大月書店
出版年月日    2016/01/20
ISBN    9784272140626
判型・ページ数    4-6・256ページ
定価   本体1,600円+税

目次
第1章 安倍政権の景気作戦――官邸の思惑は当たるか?
第2章 人々が政治に求めていること
第3章 どんな経済政策を掲げるべきか
第4章 躍進する欧米左派の経済政策
第5章 復活ケインズ理論と新しい古典派との闘い
第6章 今の景気政策はどこで行きづまるか

大月書店さんサイトの紹 介ページ(各ネット書店にリンクしています)


自由のジレンマを解く──グロー バル時代に守るべき価値とは何か
訂正情報

自由のジレンマを解く
    発売日:2016/02/15
    出版社:PHP研究所
    レーベル:PHP新書
    サイズ:18cm/286p
    ISBN:978-4-569-82967-8

第1章 責任のとり方が変わった日本社会
第2章 「武士道」の限界
第3章 リベラル派vs.コミュニタリアン
第4章 リバタリアンはハイエクを越えよ
第5章 自由と理性
第6章 マルクスによる自由論の「美しい」解決
第7章 「獲得による普遍化」という解決――センのアプローチをどう読むか
第8章 疎外のない社会への展望

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これからのマルクス経済学入門 (筑摩選書)
訂正情報
これからのマルクス経済学

    発売日:  2016年03月14日
    著者/編集:   松尾匡, 橋本貴彦
    出版社:   筑摩書房
    サイズ:  全集・双書
    ページ数:  236p
    ISBNコード:  9784480016362

第1章 階級と所有
(階級的な見方vsアイデンティティ的な見方/支配階級とは、剰余の利得者か、それとも生産の支配者か ほか)
第2章 疎外論と唯物史観
(フォイエルバッハの宗教批判を引き継ぐ疎外論の図式/疎外が起こる原因とその克服の条件 ほか)
第3章 投下労働価値概念の意義
(価格の規定因としての労働価値説は成り立たない/労働価値概念の社会的労働配分把握という意義 ほか)
第4章 マルクス経済学で日本社会を数量分析する
(投下労働価値による数量分析/投下労働価値と総労働配分 ほか)

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研究業績リスト

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